◆女子プロゴルフツアー 資生堂レディス 第1日(29日、神奈川・戸塚CC=6605ヤード、パー72)
ルーキーの千葉華(国際スポーツ振興協会)が5バーディー、3ボギーの70で回り、首位と3打差の11位と好発進を決めた。プロテスト4度不合格の苦労人が、初優勝を目指し台風の目となった。
パターの調子がいいラウンドだった。バーディーチャンスにつけたホールで、3~4メートルのパットを決めきりスコアを伸ばした。グリーン周りも好調だった。前半の14パー3番でティーショットでグリーンを外すも、15ヤードの下りのスライスラインを沈めチップインバーディーとした。「思ったところに落とせてきれいに入ってくれた。難しいラインだった」と笑顔で振り返った。
憧れの先輩も味方につけた。キャディーを同郷・沖縄出身で、5歳の時から知っている柳下春歌(柳下工業)に依頼。19日に今大会の出場が決まり、同日中に電話をしたという。プレー中にラインの相談などをし「考えが一緒のところが合って、やりやすかった。背中を押してもらった」と助言も受け飛躍につなげた。
25日に24歳の誕生日を迎えた。26日は日本女子オープンの地区予選のため伊勢に滞在し、伊勢神宮でお宮参りをした。日本最大級の商業リゾート「VISON(ヴィソン)」に訪れ柳下とともに食べ歩きを楽しみ、「小さなケーキを買って食べた」という。
兄はプロボクサーで元東洋太平洋バンタム級王者の千葉開(横浜光)。祖父もボクシングの日本アマチュアチャンピオン。影響を受け自身も高校3年時に、兄と同じ平仲ボクシングスクールジムに通った。「やり過ぎて拳の皮がめくれて『これはダメだと思った』」といい1年間でやめてしまった。「兄はメディシンボールで鍛えていたらおなかに穴が開いた。それくらいボクシングに向いてないけどプロになった。諦めなければかなうんだなと思った」。憧れの選手にも兄の名前を書くほどで「人間性も含めてすごいと思う」と尊敬している。
同期の神谷そら(郵船ロジスティクス)が4月のフジサンケイレディスで優勝。自身は「結果より一打一打の目標を達成できるか」を重視している。そのことを意識してから「ミスをしても、アライメント通りの球ならOK。ミスがミスにならなくなってきた」とスコアアップにつながっているという。ツアー出場は2戦目だが、優勝も見える位置でのスタートを切った。残り3日間、良い過程を積み重ね、最高の結果につなげる。