石川遼が3年11か月ぶり首位発進「自分ができるベストのスコア」 19年大会Vの再現狙う


8番、笑顔でパターを手にする石川遼。初日4アンダーの好スタートを切った(カメラ・今西 淳)

8番、笑顔でパターを手にする石川遼。初日4アンダーの好スタートを切った(カメラ・今西 淳)

◆報知新聞社後援 男子プロゴルフツアー 今季メジャー第2戦 日本プロ選手権 第1日(27日、北海道・恵庭CC=7441ヤード、パー72)

 2019年大会覇者でツアー通算18勝の石川遼(31)=カシオ=が4バーディー、ボギーなしの68で回り、4アンダーで5人が並ぶ首位に立った。19年8月長嶋茂雄招待セガサミーカップ以来、3年11か月ぶりの初日首位で過去8戦5勝の“V率62・5%”。4年前の大会でも首位発進の吉兆だ。フェアウェーが狭く、史上最長(270ヤード)のパー3もある難コースを攻略し、国内メジャー4勝目に突き進む。

 日本最古のメジャー初日を千両役者が盛り上げた。序盤はショットを左に曲げながら、ボギーなしの68でまとめた石川は「何とかしのいだ。自分ができるベストのスコア」と息をついた。頭を使い、小技を駆使し、難コースに立ち向かった。

 この日の恵庭市の最高気温は32度。午前7時45分のスタート後、数ホールで汗が噴き出した。昨夏に続き、暑熱対策で頭部を360度覆うバケットハットをかぶった。「助かっている。真上から日差しが来る分には『かかってこいやー』って感じです」と笑った。

 前半の13番パー3では球が埋まるほど深い、グリーン左のラフから第2打を「かなり強めに」振り、ロブショットで50センチに寄せる技ありのパー。14番で1・5メートル、左の林から寄せた17番パー5で3メートルのバーディーパットを決め、波に乗った。

 後半に2つバーディーを重ねると、8番で記録が残る1992年以降でツアー最長となる270ヤードの“モンスター・パー3”が待ち受けた。第1打を3ユーティリティーで右ラフへ。4メートルを沈め、パーに収めてガッツポーズを作った。「ほぼボギーみたいなパー。かなり得した」と強調した。

 同じ会場で開催された09年大会は予選落ち。この日、狭いフェアウェーを捉えたのはパー3を除く14ホール中7回と半数はラフからだったが、米国仕込みの小技を武器に「今日はショートゲームでやれた。楽しい一日でした」と振り返った。

 今季未勝利も9戦2度のトップ5入りで賞金ランクは10位だ。4年前も首位発進から大会初制覇。今大会開幕前には「今も実感がない。日本プロのタイトルは(毎年)違ったコース、セッティングで対応力が大事になる」と語った。石川の首位発進は国内ツアーで過去8度あり、5度V。「ショートアイアンを含めて今日は苦しかったので、修正したい」。経験豊富な31歳は冷静に第2日以降へ視線を向けた。(岩原 正幸)

 ◆石川の19年大会(鹿児島・いぶすきGC)優勝VTR 4打差6位から最終ラウンド(R)を出て66と猛追。通算13アンダーで並んだ黄重坤(ハン・ジュンゴン、韓国)とのPO1ホール目で劇的なイーグルを奪って制し、2年11か月ぶりのツアー通算15勝目に涙した。九州南部の豪雨の影響で順延され、最終日に第3、最終Rの36ホールが実施された大会だった。

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