上田桃子、暫定首位も「毎週誰か倒れている。過酷すぎる」…JLPGAに対策訴えた


3番、猛暑のラウンドで扇子であおぎ涼をとる上田桃子(カメラ・小泉 洋樹)

3番、猛暑のラウンドで扇子であおぎ涼をとる上田桃子(カメラ・小泉 洋樹)

◆女子プロゴルフツアー ニトリレディス 第2日(25日、北海道・小樽CC=6695ヤード、パー72)

 第1ラウンド(R)の残りと第2Rが行われ、競技は2日連続で順延となった。通算17勝で6アンダー暫定首位で終えた上田桃子(37)=ZOZO=が暑さで棄権者が続出する状況に、競技短縮などの可能性を含めた暑熱対策の徹底を日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)に訴えた。この日は最高気温32・6度と北海道では異例の暑さの中、第2Rを7バーディー、2ボギーの67で回り、31ホールを乗り切った。

 強い直射日光に、雨を含んだ蒸気がコースを覆った。上田は31ホールの長丁場を終え、疲れきった表情を浮かべた。最高気温32・6度、平年を7度以上も上回る暑さ。暫定首位に立ったことより、ツアーの中心選手として暑さ対策について言わずにはいられなかった。

 「自分たち(選手)も4日間やりたいけど、短縮競技を考えるとか何か方法があってもいい」とJLPGAに対策の必要性を訴えた。「かなり体力を削られた。甲子園でもこの天候で対策が取られている。ゴルフは(時間が)長い。キャディーさんも心配」と、高校野球で実施される「クーリングタイム」(5回終了後に選手が10分間休息をとる)の例も挙げた。

 この日は熱中症とみられる体調不良の棄権が4人。うち1人は救急車で運ばれた。上田も7月末に兵庫の大会を熱中症で途中棄権。その後2戦欠場した。「毎週、誰か倒れている。昨日は吐いている選手も。過酷すぎる」と切実に話した。

 協会ではコース各所に氷を用意するなどできる限りの対策を行う。だが、選手の職場確保(出場人数を多くし、予選通過者に賞金を配分する)の観点から、容易に競技短縮とはいかないのも事実。選手の消耗度は想像以上となっている。(岩原 正幸)

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