
16番、ティーショットを真ん中に運びティーを拾う菊地絵理香(カメラ・今西 淳)
◆女子プロゴルフツアー 今季メジャー第3戦 日本女子オープン 第2日(29日、福井・芦原GC海C=6528ヤード、パー72)
16年連続18度目出場の菊地絵理香(35)=ミネベアミツミ=が18位で出て10バーディー、2ボギーのこの日最少64で回って、通算10アンダーの単独首位に浮上した。「64」はパー72の設定では、18ホールの大会最少スコアタイ記録。通算6勝の実力者は、これまで2位2回(13、15年)と届かなかった国内最高峰のメジャータイトルをつかむ。首位から出た、2週連続で完全優勝中だった岩井明愛(あきえ、21)=ホンダ=は70で7アンダー2位に後退した。
秋晴れの海沿いコースでベテランが面白いようにバーディーを重ねた。菊地は普段通り闘志を内に秘め、落ち着いてプレー。8番で10ヤードからチップインバーディー、9番で10メートルを沈めるなど得意の小技がさえ、10バーディーで64。「ワナが待っていると思ったので、絶対浮かれちゃいけないなって」。8アンダーは18ホールでの大会最少スコアに並び「こういうふうに(スコアを)出すと、また(設定が)難しくされそうな気も…」と控えめに喜んだ。
18度目の日本女子オープン。これまで悔しさを味わい続けてきた。単独首位で出た最終日に74と失速し、プレーオフの末に敗れた15年大会(2位、石川・片山津GC白山C)は、今回の福井県の会場から車で20分ほど。「来る時に片山津の前を通って、こんなに近くだったんだなと。今日、いいスコアが出たのも縁がある」と懐かしそうに語った。
初日(28日)まで7ラウンド(R)連続で首位に立っていた絶好調の21歳・岩井明を上回った。8月のニトリレディスでも岩井明、申ジエ(韓国)とのプレーオフを制し、今季初優勝を飾った菊地は「“明愛選手キラー”みたい」と聞かれ、「たまたまです」と笑った。
自身56度目のメジャー挑戦で、勝てば01年に出場42戦目のメジャー、日本女子オープンで初制覇した島袋美幸を大きく超えるツアー最遅記録での悲願達成となる。「プロ人生の中で誰もが欲しいタイトル。チャンスを生かしたい」と言葉に力を込めた。
(岩原 正幸)
◆菊地の日本女子オープン 初出場は2003年(予選落ち)で、アマチュア時代は2度出場。これまで通算17回の出場で、トップ10が7回。13年が1打差の2位、15年が3人によるプレーオフで敗れ2位。18年は3位。ツアー通算6勝も、メジャー優勝はない。