男子プロゴルフの下部ツアー、アベマツアーの最終戦、ディライトワークスJGTOファイナル最終日が20日、茨城・取手国際GC東C(6804ヤード、パー70)で行われ、28歳の伊藤有志(アイシグリーンシステム)が通算14アンダーで優勝した。
「ゴルフ天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(ゴルフ5)のショートゲームコーチを務める25歳の米国人、グラント・ゴッドフリイ(フリー)は通算9アンダーで14位。同ツアーの賞金ランク22位となり、来季、日本男子レギュラーツアー前半戦の優先出場権を獲得した。
ゴッドフリイは2020年12月に来日。21年、弥勒が練習拠点とする茨城・ゴルフ5カントリーサニーフィードで行われたツアー予選会に出場した際、弥勒の父・憲一さんが多彩な小技を持つゴッドフリイを高く評価し、弥勒のショートゲームコーチに招へいした。弥勒は「グラントコーチは状況に応じて何種類のアプローチを持っていて、ロングパットの距離感も抜群です。とても、勉強になります」と話す。
ゴッドフリイは弥勒を指導しながら、自身も弥勒から大きな刺激を受けている。「ゴルフが大好きで『絶対に世界一になる』という弥勒の情熱に僕も感化されました。日本ツアーでプレーする最も有名な外国人選手となり、将来は米ツアーでも活躍し、世界一のゴルファーになりたいと思っています」とゴッドフリイは語る。
ゴッドフリイの持ち味は小技だけではない。190センチ、75キロのシャープな体を生かし、320ヤード級のビッグドライブを連発する。未知数の潜在能力を持つゴッドフリイが日本男子レギュラーツアーの参戦が決まり、弥勒も大興奮。「グラントコーチの努力はすごいです。サニーフィールドに来た時は暗くなってボールが見えなくなるまで練習しています。ゴルフ以外でも努力しています。日本に来た頃は日本語が話せなかったけど、今では日本語で日常会話ができるようになりました。尊敬しています。私が英語の勉強をしたいので、私と話す時はあまり日本語を使わなくてもいいんですけど」と笑顔を交えて話す。
日本女子ツアーでは満13歳から出場可能となる。来年の8月6日に13歳になる弥勒は来季中のツアーデビューを目指している。「近い将来、グラントコーチとそろって男女ツアーで優勝したいです」と弥勒は意欲たっぷりに話した。異色の師弟コンビは日本の男女レギュラーツアーで「主役」を狙っている。
◆グラント・ゴッドフリイ 1998年1月23日、米国オハイオ州生まれ。25歳。2歳からゴルフを始める。トレド大卒業後の2020年にプロ転向。同年12月に来日。家族は日本人の妻(26)。190センチ、75キロ。
◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。12歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17年に大会史上最年少で世界ジュニアに優勝。18年も連覇した。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、22年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。昨年8月に横峯良郎氏に弟子入り。22年、アマチュア資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで所属契約のゴルフ5をはじめ、12社・団体とスポンサー契約した。ピアノも得意で今年7月の第24回北関東ピアノコンクールのプレコンペティション部門(ソロ)小学校6年生の部で銀賞を受賞。家族は父、元フィギュアスケート選手でピアニストの母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。150センチ、50キロ。