今平周吾が頭脳派柏木キャディー仕込みの3ウッド二刀流で賞金ランク3位浮上…18年ウェッジ二刀流で優勝も経験


通算12アンダーで今季2勝目を挙げた今平周吾はカメラに向かってガッツポーズ(カメラ・今西 淳)

通算12アンダーで今季2勝目を挙げた今平周吾はカメラに向かってガッツポーズ(カメラ・今西 淳)

◆男子プロゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日(12日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)

 単独首位から出た今平周吾(31)=ダイヤゴルフ=が2バーディー、2ボギーの70で回り、通算12アンダーで吉田泰基(25)=東広野GC=の追い上げを振り切って通算9勝目を手にした。ドライバーを抜いて3ウッド2本を入れる異例の“二刀流”で4月の開幕戦以来、今季2勝目。パターも賞金王に輝いた2018、19年に使っていたモデルに戻し、高速グリーンも攻略した。4000万円を加算し、賞金ランクは3位に浮上。残り3試合での逆転で3季ぶりの賞金王も射程に入ってきた。

 2本の3ウッドを巧みに操った今平が、秋のビッグトーナメントを制した。硬くて速いグリーンを攻略するため、第1打でフェアウェーを捉え続けた。「この優勝でまた賞金王も見えてきたと思う」。4日間でボギーは4つのみ。賞金王時代からコンビを組む、柏木一了キャディー(55)との頭脳的なマネジメントで、真冬の冷え込みとなった難コースを攻略した。

 1打リードで迎えた最終18番パー5。極限の緊張の中、ティーショットで今大会で初投入した「275ヤード飛ぶ」ヤマハ製の3ウッドを握った。右バンカーに入れるも、先に吉田がパーとし、2パットでパーセーブした今平が勝ち切った。4日間合計で今季最多2万3569人が詰めかけた今大会。「いっぱい声援があるとすごい力になる」と多くの応援にも後押しされた。

 18年に同じ60度ウェッジ2本を投入する“二刀流”でツアー優勝を飾ったが、3ウッド2本づかいは自身初。8日のプロアマ戦でドライバーショットが右に曲がり、ヤマハの担当者に頼んで新兵器を持ってきてもらったという。ドライバーより曲がりにくく「心に余裕があった。曲がっても幅の中に収まってくれる安心感をすごい感じた」と林でセパレートされたコースへの作戦がはまった。パターも高速グリーンに対応するため賞金王当時のモデルを再投入。抜群の安定感を発揮した。

 賞金ランクは約3400万円差の3位に浮上。「今年は1ミリもないと思っていた」賞金王も見えてきた。今季賞金ランク3位以内の選手には、来季の欧州ツアー出場権が与えられる。「権利がもらえたら行きたい」と挑戦の意向も表明。次戦のダンロップフェニックス(16日開幕・宮崎)は19年に、今年も出場する松山英樹(31)らを抑えて制した。2週連続Vを果たし2つの目標をたぐり寄せる。(富張 萌黄)

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