
3番、ティーショットを放つ松山英樹。この日は3オーバー、トータル5アンダーで8位タイ(カメラ・渡辺 了文)
◆男子プロゴルフツアー ダンロップフェニックス 第2日(17日、宮崎・フェニックスCC=7042ヤード、パー71)
単独首位で出た2014年大会覇者の松山英樹(LESUS)は1バーディー、4ボギーの74とスコアを落とし、通算5アンダー。首位と5打差8位に後退した。「昨日とたいした変わっていない。ちょっと悪かったかな、くらいの感じ。ここまで差がつくのは、自分の判断がうまくいかなかったということ」と振り返った。
2番で右林に曲げたティーショットは、木の根元に止まった。第2打はフェアウェーに出すだけ。4オン1パットのボギーが先行すると、7番パー5ではピン左1・2メートルのバーディーパットがカップに蹴られるなど、もどかしい展開が続いた。
4年ぶりに乗り込んだフェニックスCCで、上空を回る風に翻弄された。「フォローとアゲンストの判断を、ほぼ逆に読んでしまっていた。こんなに風が回るコースだったかなと。今までのイメージでは、そういうのはなかった」。この日のパーンオン率は38・889%で、全体最下位の84位に沈んだ。
10、11番とグリーンを外しながらパーをセーブしたが、12番はグリーン右からのアプローチが寄らずボギー。13番でバンカーからの第2打をピン手前1メートル強につけて、この日唯一のバーディーを奪ったが、14番はフェアウェーからピンに向かったショットがグリーン左奥にこぼれた。「いいショットを打てても、風の読みを真逆に間違えていたりしたので、そこらへんは難しかった。風が出るのは分かっていたが、対応できなかった」と口にした。
9年ぶりの大会2勝目へ、トップと5打差で決勝ラウンドを迎える。「自分の状況的にそこまで、『明日追いつきます』とか言える状態じゃないけど、昨日みたいにうまく波に乗れればチャンスがあると思うので。しっかりと、準備だけはしたい」。ホールアウト後に練習場に向かうと、午後3時35分から1時間40分、球を打ち続けた。うち1時間15分は、アイアンショットに割いた。
一人、また一人と選手が練習を切り上げていくなか、黙々とクラブを振った。日は沈み、冷え込む宮崎の空の下、半袖で懸命に、浮上へのきっかけを求めた。打撃練習で最後の一人になってから30分。ドライバー、ウッド、アイアンと、週末への「準備」に時間を費やした。最後は約70人のファンにサインをして、コースを去った。まだ試合は折り返し。松山英樹が、諦めるわけはない。