
3番、アプローチショットを放つアマチュアの杉浦悠太。通算12アンダーで首位(カメラ・渡辺 了文)
◆男子プロゴルフツアー ダンロップフェニックス 第3日(18日、宮崎・フェニックスCC=7042ヤード、パー71)
3打差の首位から出た杉浦悠太(22)=日大4年=が5バーディー、3ボギーの69で回り、通算12アンダーで単独首位をキープした。強風の難条件下でもアイアンで低い球を操って対応するなど、後続との差を「4」に広げた。海外メジャー覇者3人も出場する国内屈指の大会で、1973年のツアー制施行後7人目のアマチュア優勝に王手をかけた。14年大会覇者の松山英樹(31)=LEXUS=は71と伸ばせず、5アンダーの4位から逆転を狙う。
勢いに乗る杉浦が快挙に王手をかけた。この日は風速11メートルの強風が吹き続け、平均スコアは73・1148。そんな中、この日のパーオン率は77・78%で全体1位。「ショットが良かった。キャディーと風の読みを話し合って、打つことができた」と笑顔でホールアウトした。今大会では唯一、3日連続で60台をマーク。「3日間、いいゴルフができている」とうなずいた。
風の影響を受けにくい低い球を打つことは得意だと話す。「4日間、スイングをもたせるのが難しいので、なるべく打ちたくない。でも、今回は調子が良く、小細工なくプレーができている」。1番からドライバーを握ってフェアウェーへ。アイアンでの第2打をピン下2メートルにつけてバーディー発進で勢いをつけた。この日は13ホールでドライバーを握る積極性も見せて、スコアメイクにつなげた。
18年の日本ジュニア優勝など、高校時代から輝かしい成績を収めた。17年には「石川遼インビテーショナル ジャパンジュニアマスターズ」の初代王者となった。同じアマVを果たしている石川遼(32)は「当時、全く曲がらない子だったが、そのまま飛距離が出ているのを感じた。もっと期待できる選手」と成長に目を細めた。昨年アマで2勝し、アマ日本代表としてともに活動した蝉川泰果(22)も「本当にうまくて認めている存在」と杉浦のステディーなゴルフには一目置いている。
ツアー7人目のアマVへ残り18ホール。4打差のリードも「難しいコンディションだと簡単にボギーが出る。一打一打集中して、後悔しないショットを打ちたい」と気を引き締めた。今季賞金ランク1位で、アマV経験者の中島啓太(23)と最終日最終組で激突する。「やるしかない。チャンスをつかみ取りたい」と杉浦。静かに闘志を燃やす22歳のアマが、50回の歴史と伝統を誇る大会に名前を刻む。(富張 萌黄)
◆杉浦 悠太(すぎうら・ゆうた)2001年9月12日、愛知・高浜市生まれ。22歳。4歳から父の影響でゴルフを始める。小学生時代は野球もプレーした。強豪の福井工大福井高で腕を磨き、18年の日本ジュニアなどで優勝。19年、日本ゴルフ協会ナショナルチームに初選出。20年、日大国際関係学部に入学。得意クラブはウェッジ。ドライバーの平均飛距離は290ヤード。家族は両親と妹。172センチ、74キロ。