白熱のV争い演じた石川遼 初制覇の蝉川、2位の賞金王・中島をたたえる「たまたまうまくいっている2人ではない」


ホールアウトしギャラリーの声援に応える石川遼(カメラ・今成 良輔)

ホールアウトしギャラリーの声援に応える石川遼(カメラ・今成 良輔)

◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 最終日(3日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 2打差3位から出た2015、19年大会覇者の石川遼(カシオ)は4バーディー、5ボギー、1ダブルボギーの73で回り、通算15アンダーで大会史上最年少の22歳で初制覇を果たした蝉川泰果(たいが、フリー)と7打差の7位で今大会を終えた。68で回った賞金王の中島啓太(フリー)、金谷拓実(Yogibo)が2位に入った。

 石川は前半の猛チャージで一時は首位と1差の2位に浮上。スコアを2つ伸ばしてハーフターンを決めた。スタートの1番パー4は1打目を左バンカーに打ち込んでボギー発進となったが、2番パー3でグリーン右手前に外すもチップインバーディーを決めてガッツポーズが飛び出した。攻める姿勢は変わらず4番パー4でティーショットを左ラフに打ち込んでボギーとしたが、5番パー4で再びバーディーを奪い返した。第2打を約1・5メートルに寄せて沈めると、6番パー5で2連続バーディーを奪取。第2打を左手前に運び、3打目のアプローチをピンそばに寄せた。大歓声が沸いたのが8番パー3だ。カップまで約10センチ、ホールインワン寸前のスーパーショットがさく裂。バーディーで沈めて、中島、蝉川に1打差で迫った。

 石川の最終日最終組での優勝は過去18回あり、うち逆転優勝が7回。機運が一気に高まったが、後半9ホールで荒れに荒れた。11番でボギーを叩くと、14番パー4で痛恨のダブルボギー。負の連鎖を止められず、続く15番パー3、17番パー5でもボギーを喫した。

 攻めた結果、最終日に失速はしたが、この大会を最も盛り上げた。第3日は8打差9位から1イーグル、7バーディー、1ボギーと脅威の62で回り、2打差3位にジャンプアップ。最終日は後半にブレーキがかかったが、コース名物の最難関18番パー3は優勝した蝉川泰物、2位だった中島啓太と争い、大勢のギャラリーから多くの拍手を受けていた。

 日本シリーズJTカップには16歳だった07年に初出場し、今年で14回目の出場となった。出場選手の平均年齢29・93歳と自身の32歳より下回り、ここまでの16年間を「あっという間だった」と振り返っていた。若手から中堅に立ち位置は変わった。「ずっと年上の人ばかりだったので、敬語を使われるとか、『おはようございます』と言われることが、まだしっくりきていない」。そう笑いつつ、近年の20代の躍進から受ける刺激は大きい。

 「本当にレベルが上がってきている。勢いだけじゃなくて、どの選手もとってもうまい」と語っていた石川。試合後は蟬川と中島をたたえた。

「めちゃくちゃ楽しかった。2人とも今シーズンずっと上位にいて、調子がいいのもあると思うんですけど、選手としても総合力が非常に高い。たまたまうまくいっている2人ではないので、来年も非常に楽しみ」と語った。

 来季に向けては「今年1年間良かったなと言うか、ショットの部分で悩むことが非常に減った。長年のコンプレックスではあったので、ロングゲームという部分では。めちゃくちゃ改善できているなと自分が一番感じているので、来年以降はよりゲームの作り方であったり、4日間の戦い方だったりに来年以降シフトしていけるような技術面での終わり方ではあったので、そこはすごくポジティブかなと思います」と意気込みを語っていた。

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