蝉川泰果 日本シリーズ初優勝の裏に初タッグの50才キャディーの支え「とにかくゆっくり」


優勝を決め岡本史郎キャディと包容する蝉川泰果(左)(カメラ・今成 良輔)

優勝を決め岡本史郎キャディと包容する蝉川泰果(左)(カメラ・今成 良輔)

◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 最終日(3日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 首位で出た蝉川泰果(フリー)が4バーディー、2ボギーの68で回って通算15アンダーとし、22歳326日で涙の大会最年少Vを飾った。1981年の羽川豊の23歳363日を更新した。4月の関西オープン以来となる約8か月ぶりの今季2勝目、通算4勝目をプロ初のメジャーVで達成。アマだった昨年の日本オープンに続くメジャー2冠は、73年ツアー制施行後の最年少でもあり、記録ずくめの22歳は来年の目標に「海外1勝」を掲げた。

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 蝉川と初タッグの岡本史郎キャディー(50)が、優勝に導く“マジック”を見せた。4日間通して過度に慌てないことを意識。「(プレーの)間を持たせるために、飲み物を飲ませていた」と、グリーン上では必ず蝉川に水を口に含ませた。「慌てると良くないので、とにかくゆっくりやってくれと」。キャディー歴23年、これまで男女通算11勝の大ベテランの腕の見せどころ。22歳を精神面で支え、落ち着かせた。

 コンビ初戦でメジャー制覇。組んでわかった蝉川の良さは「思い切りがいい。ちょっとや、そっとのことじゃ崩れない」と、メンタルの強さを評価した。優勝が決まると、抱き合い喜んだ。岡本氏も日本シリーズは初制覇。「おめでとう。1年間ご苦労さまでした」と新王者に、さわやかな笑顔で伝えた。(富張 萌黄)

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