まくりの稲見萌寧、連続五輪へ再び…21年東京は5番手から逆転2番手で銀メダル、パリは13番手からつかむ


渡米前、色紙に意気込みを記した稲見萌寧

渡米前、色紙に意気込みを記した稲見萌寧

 米女子ゴルフツアーの開幕戦、ヒルトン・グランドバケーションズ・チャンピオンズは18日から4日間、米フロリダ州で行われる。過去2年の優勝者が集まり、日本勢は今季から参戦する稲見萌寧(24)、8年目を迎える畑岡奈紗(25)、古江彩佳(23)の3人が出場。今季は西郷真央(22)らも加わり、過去最多の日本勢9人が米国を主戦場にする。東京五輪銀メダルの稲見は16日までにスポーツ報知の取材に応じ、8月のパリ五輪での2大会連続出場へ意欲を示した。

 今季の米女子ツアーには過去最多となる日本勢9人が顔をそろえた。渋野日向子(25)、畑岡らとともに、20―21年季の国内賞金女王の稲見もツアーメンバーに加わった。18日の開幕戦から出場する稲見は虎視たんたんと2大会連続の五輪出場を狙っている。

 「前回出場できた時も、勝ちまくらないと追い上げがきかない感じだった。今回は海外で戦えるのでチャンスはゼロではない。(ランクに反映される)ポイントも大きい。出られたらいいな」とうなずいた。

 パリ五輪の出場枠は最大4人。稲見は現在世界ランク74位で日本勢では13番目に位置する。2人が出場した21年東京五輪では、開幕前のランク63位(日本勢5番手)から国内5勝の怒とうの追い上げで2番手で逆転五輪切符。本大会で、日本人初の表彰台となる銀メダルをつかみ取る大どんでん返しのドラマを見せた。

 これまで“国内派”を公言してきたが、昨秋のTOTOジャパンクラシック制覇後、トレーナーとスタッフ(パットコーチの小暮広海さん)のツアーへの同行が決め手となり、米ツアー挑戦を決断した。「初挑戦なので、本当にどうなるか予想がつかない。楽しんで、なるべく上位で頑張っていき、慣れてきたら向こう(米国)で優勝カップを掲げられるように」と意気込む。一緒に回ってみたい選手に東京五輪金メダルのネリー・コルダ(米国)を挙げ、参戦を心待ちにする。

 優勝で日本ツアーの5倍強の100ポイントが得られるメジャー5大会のうち、全米女子プロ選手権(6月20~23日)までの3大会が、パリ五輪の代表争いが決着する6月下旬までに組まれる。現状で出場圏内にいるのは1番手の畑岡と、世界ランク20位で2年連続国内年間女王の山下美夢有(みゆう、22)。米ツアー組と、山下のように国内を主戦場にしながら、海外へスポット参戦する選手たちを交えた激しい争いは五輪直前まで続きそうだ。(岩原 正幸)

 ◆稲見 萌寧(いなみ・もね)1999年7月29日、東京都生まれ。24歳。9歳でゴルフを始め、16年にアマ日本代表入り。18年のプロテストに一発合格。19年にツアー歴代最高のパーオン率78.2079%を記録。20―21年季は9勝で賞金女王に輝く。21年の東京五輪で銀メダル。昨年11月、日米共催TOTOジャパンクラシックで通算13勝目を挙げ、今季米出場権を獲得。166センチ、58キロ。

 ◆女子ゴルフのパリ五輪への道 6月24日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ポイント上位60人が出場権を得る。〈1〉同ランク15位以内は各国・地域で最大4人〈2〉16位以下は〈1〉の有資格者を含めて最大2人が出られる。大会は8月7日から4日間、フランス「ル・ゴルフナショナル」で72ホールストロークプレーの個人戦で争う。21年東京五輪は畑岡と稲見が出場し、稲見が日本初の銀メダル、畑岡は9位だった。東京五輪にフィリピン代表で出場した笹生は日本国籍を選択し、パリ五輪は日本代表での出場を目指す。

 夢の国にも!? 〇…稲見は取材時に24年の意気込みを色紙に記した。「画面越しでみなさんに楽しんでもらえるように頑張ります!」。今月は米女子開幕戦を含め、フロリダ州で2試合を戦う。ゴルフ中心の生活となるが「(米国の)ユニバーサルスタジオかディズニーのどちらかに、3時間くらいでいいから行ってみたい」とテーマパーク巡りも“目標”に掲げた。

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