渋野日向子は72でメジャー2勝目を惜しくも逃すも今季自己最高の2位に「ここからまた新しい章がスタート」


◆米女子プロゴルフツアー メジャー第2戦 全米女子オープン 最終日(2日、米ペンシルベニア州ランカスターCC=6583ヤード、パー70)

 2019年AIG全英女子オープン覇者の渋野日向子は2打差4位から出て粘り強く2バーディー、4ボギーの72で回り、通算1アンダーの3打差2位。大舞台で今季自己最高成績をマークし、賞金129万6000ドル(約2億88万円)を手にした。

 世界ランク192位の渋野は上は黄色、下はベージュのスカートに身を包んだ。タイのミーチャイと同組で、にこやかにティーオフした。グリーンが硬く締まり、ピンが難しい位置に切られて、我慢合戦のサバイバルの様相を呈した。

 373ヤードの3番パー4でボギーが先行した。ドライバーで左のセミラフへ。アイアンでの第2打はピン左下9メートルへ。3打目のパットは1・5メートルショートし、パーパットがカップ左縁にけられて3パットのボギー。首位のミンジー・リー(豪州)と4打差5位へ後退した。

 続く345ヤードの4番パー4で連続ボギーを喫した。ドライバーショットが左の深いラフへ。アイアンでの第2打はグリーン奥のラフへ。3打目の寄せが6メートルショートし、2パットでボギーとなった。

 523ヤードの7番パー5で待望の初バーディーを奪った。ドライバーを豪快に振り抜き、277ヤード先の右フェアウェーへ。残り80ヤードのフェアウェーからのウェッジでの3打目をピン下1メートルにピタリと止めて、ギャラリーの大喝采を浴びた。トップと2打差の2位へ浮上した。

 185ヤードの8番パー3はグリーン上で苦戦した。第1打はアイアンでピン右上10メートルへ。バーディーパットは3メートルショート。パーパットはカップ左に外れ、3パットのボギー。トップと3打差3位へ後退となった。

 426ヤードの9番パー4。第1打は右のセミラフへ。アイアンでの第2打がグリーン右奥のラフへオーバー。3打目の寄せは2・5メートルショート。少しフックするパーパットを慎重に沈めて、拍手を浴びて笑顔を見せた。

 サンデーバックナインも、435ヤードの10番パー4でボギーが先行した。ドライバーで右に曲げると、第2打もグリーン右のラフへ。3打目の寄せが3・5メートルショートし、パーパットが惜しくも外れると悔しそうに天を仰いだ。トップとは3打差の5位となった。

 それでも、163ヤードの12番パー3で取り返した。アイアンでのティーショットをピン右7メートルへ。下りのスライスラインをジャストタッチでねじ込み、拍手を浴びながら笑顔で左手を揺らしてガッツポーズ。1打差2位へ浮上した。

 392ヤードの14番パー4は、ティーショットをあごの高い左バンカーへ。グリーン左手前のラフへ曲げた。3打目は左下4メートルへ。パーパットを執念でねじ込むと、左手を揺らすガッツパーとなった。最終18番の第2打地点で、1つ前の組で仲の良い笹生優花が優勝をほぼ確定とするパーパットを沈めるのを目撃すると、両手をたたいて笑顔で拍手を送っていた。

 ホールアウト後、中継局のインタビューに笑顔で答えた。「最後の方はかなりショットが散ってしまって、パットもなかなか決めきれなくてスコアを落としてしまって、残念ではあったんですけど。結果的には4日間(通算)アンダーで回れたのはよかったかなぁと思います。(7メートルを沈めるバーディーでガッツポーズも飛び出した)12番は入ると思わなかったので。もうちょっと簡単なの入って欲しかったんですけど(笑い)。でも、あれはすごく盛り上がるパットにはなったと思うので自分では納得していました。めちゃくちゃしんどい4日間だったんですけど。ここまでの自分のゴルフの内容では、ありえない結果なので正直自分ではビックリなんですけど。でも、ここからまた新しい章がスタートができるな、という感覚なので。すごく前向きな気持ちです」

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