北海道からも長嶋さんを悼む声…「ザ・ノースカントリーGC」総支配人・太田康裕さん「選手をぜひコースで直接応援したいと…」


池田勇太のティーショットを見る(左から)青木功JGTO会長(当時)、長嶋茂雄大会名誉会長、松田丈志さん、里見治大会会長

池田勇太のティーショットを見る(左から)青木功JGTO会長(当時)、長嶋茂雄大会名誉会長、松田丈志さん、里見治大会会長

 巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さん(享年89)の死去から一夜明けた4日、道内の関係者からも悼む声が届いた。男子プロゴルフツアーの冠大会「長嶋茂雄招待セガサミーカップ」を長年開催している千歳市の「ザ・ノースカントリーGC」の総支配人・太田康裕(58)さんが当時を振り返り、故人をしのんだ。

 長嶋さんが2007年から大会名誉会長となり現在の名前で開催されている同大会。最後に長嶋さんがゴルフ場を訪れたのは2017年、81歳の時だった。表彰式のプレゼンターとして選手に優勝カップを渡すことが役目だったが、長嶋さんの行動はそれだけにとどまらなかった。

 当日、カートの運転手を務めていた太田さんは、長嶋さんのアスリートを見つめる熱い視線を思い返した。「ぜひコースで直接応援したいとおっしゃって。カートでコースの中まで移動し、ご自身の足でグリーンまで上がられて、左手で太ももをたたきながら、真剣に応援されていた」。北海道とはいえ、夏まっただ中の7月。室内のモニターで観戦することもできたが、選手に直接声をかけ、激励する姿に心打たれたという。

 ゴルファーが戦っている姿を見て、一喜一憂し、自身も同じような熱量で応援する。その姿を目の当たりにした太田さんは、「現役時代の野球をしている時と同じような真剣なまなざしで、ご自身がショットを打っているかのように応援されていた。やっぱり本当のアスリートなんだなと。アスリートの魂がまだまだ消えていらっしゃらないのだなと思いました」と振り返った。

 また、駆けつけたギャラリーにも「直接会いに行きたい」と子ども連れの家族やギャラリーに手を振る姿も印象的だったという。「ギャラリーの方も長嶋さんが目の前に来ると思っていないので、我々にとっても夢のような時間でした」。ファンを大切にする長嶋さんらしい一面に感無量だった。

 数々の思い出を懐かしんだ太田さんは、「これだけ熱く、ゴルフや選手を応援していただけるのは感謝の言葉しかない。できればまた試合で再会できたらとてもうれしかった」と悼んだ。道内スポーツ界の発展にも寄与した長嶋さんの功績は、決して色あせることはない。

(川上 晴輝)

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