
5番、バーディーパットを狙う佐久間(カメラ・豊田 秀一)
◆女子プロゴルフツアー 宮里藍サントリーレディス 第3日(14日、兵庫・六甲国際GC=6558ヤード、パー72)
6位から出た佐久間朱莉(しゅり、22)=大東建託=がボギーなしの4バーディーで68をマークし、通算12アンダーとし、首位と2打差の2位に浮上した。開幕前日のプロアマ戦で、憧れの元世界ランキング1位で日米通算24勝の宮里藍さん(39)と同組でラウンドし、2週連続予選落ちから復調。“藍の力”で逆転での今季3勝目を狙う。67で回った高橋彩華(さやか、26)=フリー=が14アンダーの単独首位に立った。
過酷なコンディションを、佐久間は強い気持ちで凌駕(りょうが)した。雨に加え、最大瞬間12・8メートルの風が吹き荒れる中、ノーボギーで回りきった。「大変な1日だった。アプローチとパターでリカバリーできたことが一番良かった」。17番パー5。残り97ヤードの右バンカーからの第3打は、グリーンを大きくオーバーしてピンチに陥ったが、3メートルに寄せ、ねじ込んだ。18番でも2・5メートルのパットを沈めてパーセーブし、優勝争いに踏みとどまった。
今季2勝目を挙げたブリヂストンレディスの翌週から2週連続で予選落ちし、今大会を迎えた。プロアマ戦で、憧れの宮里藍さんとの初ラウンドが実現した。3歳でゴルフを始め、テレビで藍さんの活躍を見て育った22歳は「ワクワクしながら回っていた」。「アプローチはどう考えて打っていますか」「優勝争いでは、どんなことを考えていますか」。投げかけた質問に、丁寧に答えてくれた。
結果を期待される立場になった。思い悩むことも増えた。「『頑張って』じゃなくて『楽しんで』って言ってくださったことが、すごくうれしかった。最近調子が良くない中で、そう言ってもらえて気楽になった」。佐久間にとって藍さんは「女子ゴルフの神様」。優勝すれば表彰式でチャンピオンジャケットを着せてもらえることは「サイコー、って感じ」。大きなモチベーションになっている。
上位2人と、大会終了時のメルセデス・ランキング上位3人がメジャー、AIG全英女子オープン(7月31日~8月3日、ロイヤルポースコールGC)の出場権を獲得する。ランキングトップの佐久間は切符を確実にしている。「(60位だった)去年は予選を通っただけで終わってしまった。もう少し上で戦いたいと思った。勝って決められたら。藍さんの名前の大会で勝てたら、とてもうれしい」。逆転優勝を飾り、藍さんが待つ表彰式に向かう。(高木 恵)