
優勝カップを受け取る生源寺龍憲(左)
◆男子プロゴルフツアー プレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品 最終日(29日、栃木・西那須野CC=6956ヤード、パー71)
プロ6年目の生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり、27)=フリー=が、4月の開幕戦に続くツアー2勝目を挙げた。2位から出て6バーディー、ボギーなしの65と伸ばし、通算23アンダーで大岩龍一(27)=フリー=とのV争いを1打差で制した。賞金1000万円を獲得して合計6219万円とし、年間ポイントとともにランク1位をキープ。今季の賞金王と来季の米ツアー挑戦を目標に掲げた。
162センチと小柄な生源寺が豪快に両手を掲げた。優勝を決めた18番グリーンの脇で、仲間から大量の水をかけられて祝福され「めちゃくちゃ気持ち良かった。最高です」。最終日が悪天候の中止で初優勝した開幕戦と違い、4日間を戦い抜いての2勝目に「すごく自信になる」と喜んだ。
大岩と首位に並んで迎えた16番は、左ラフから残り160ヤードの第2打をピン横2メートルにピタリ。「流れをつかむいい2打目だった」。会心のバーディーで一歩抜け出した。今季9戦で複数回V一番乗り。一気に男子ツアーの主役に躍り出た。
モットーは「逃げない。答えが出るまでやる」。22年から指導する今林伸司トレーナー(44)は「真面目。一年中ゴルフを考えている」と評す。ファストフードやコンビニ弁当は絶対に食べず、脱・添加物の食生活を徹底。昨年、オマーンのジムで対面したホアキン・ニーマン(チリ)らの強じんな体に衝撃を受け、筋トレを週4回に増やした。小兵ながら飛距離は最大320ヤードへと伸びた。
優勝会見後、7月3日開幕のアジアンツアー参戦のためモロッコへ向かった。「試合があればどこにでも行きたい。日本で賞金王になり、米ツアー予選会に行くのが目標」。静かな言葉に確かな自信と風格がにじんだ。(星野 浩司)