
5年ぶりの優勝を決め、 夫の田野聖和さんに祝福され笑顔を見せる永峰咲希 (カメラ・堺 恒志)
◆女子プロゴルフツアー 資生堂・JALレディス 最終日(6日、神奈川・戸塚CC=6766ヤード、パー72)
プロ12年目の30歳、永峰咲希(ニトリ)が5年ぶりの3勝目を飾った。首位で出て2バーディー、ボギーなしの70で回り、通算9アンダーで並んだ木戸愛(日本ケアサプライ)とのプレーオフ(PO)を3ホール目で制した。
2020年9月のメジャー、日本女子プロ選手権・コニカミノルタ杯以来の3勝目。21年12月に宮崎放送勤務の田野聖和さんと結婚後は初となる優勝をつかんだ。
◇永峰に聞く
―5年ぶり3勝目。最後のパットを決めた瞬間の気持ちは
「もう負けたかなと思う瞬間が一日の中で何回もあった。今日はアイアンショットが思ったところに出ていなくて、なかなかバーディーチャンスを作れなくて、数少ない2個を取れたのが良かった。(最後の)パーパット入った瞬間は、終わった…という気持ちが強かったので、だんだん喜びが増してきた」
―16番でバーディーパットを決めて単独首位に。あれで勝てるという気持ちは出たか
「あの変はちょっとフワフワしてて、緊張もあると思うけど、心拍数が上がってた。それが熱中症なのか何なのか、気づかないようにしようと思って、入った喜びもあったけど、余計に心拍数が上がった。次のホールは『落ち着け、落ち着け』と思いながら打った。あがり3ホールは、いっぱいいっぱいだった」
―正規の18番。木戸が12メートルのバーディーパットを決めて追いつかれた
「キレイに転がっていたので、入りそうだなと見ていた。入った瞬間のギャラリーの肩の歓声が体の中に響いて、あれで目が覚めた。それまでいっぱいいっぱいで、頑張って2パットでと考えてたのに、急にいいのを決めてくれて、『私も狙わなきゃ』とハッとして、体調が一気に良くなった。アドレナリンも出た。人の歓声でこんなに人間の体ってモチベーションが上がるんだと驚きだった」
―結婚後初優勝となった
「主人が『トロフィーを持って写真を撮るのが夢』とずっと言ってた。今朝も緊張して寝れなかったらしくて、4時に目が覚めて、普段行きもしないジムに行って、写真を撮る準備してるな、(体を)仕上げてこようとしてるなと思った。結果、勝って、写真撮ってる時もすごくソワソワしてた。『念願の写真が撮れてうれしいです』と敬語を使われた」
―この5年間で若手が活躍する中で、次勝てるのかという焦りはあったか
「複数年シードを使ってたので、心の余裕は少しあった。でも、クラブも進化して、体もみんなケアやトレーニングをちゃんとするようになってる姿をお風呂場で見てた。パターの練習とかでも、焦りというより、何してるんだろうという興味が大きかった。うまい子がそばにいっぱいいて、学ぶチャンスがいっぱいあった」
―30歳という年齢と、若手選手が台頭する現状をどう思うか
「30歳になるけど、今年が一番状態も調子もいいなと思ってたので、早く勝ちたいという思いもあった。同年代の選手も先輩たちも頑張っていて、追いつきたい、複数回優勝もしたことないので、まずは1勝してというのもあった。よし、30代で1勝できたのはすごいうれしかった。若い子たちもすごくゴルフの知識も技術もあって、私たちも勉強させられる瞬間がいっぱいある。今日みたいに暑くなって、根性で戦わないといけない瞬間もあって、そういうところを経験値でカバーできていけるようになれたらいいなと思う」
―今後の目標は
「複数回優勝したことがないので、いつも1勝してその後すごい尻すぼみみたいな感じで結果が出ないことがあるので、でもその当時もやっぱり技術が伴ってなかったなって今思うとそう思うので、この後も2勝目3勝目4勝目目指して頑張りたいと思います
―七夕の願い事は
「柔軟性のある体がほしい。すぐ硬くなるので、柔軟性がほしいです」