
18番で第2打を放つ古川龍之介(カメラ・今西 淳)
◇男子プロゴルフツアー リシャール・ミル・チャリティー 第2日(1日、石川・能登CC=7142ヤード、パー72)
2位で出たツアー未勝利の24歳、古川龍之介(ゼビオホールディングス)が9バーディー、1ボギーで自己ベストの64をマークし、通算15アンダーで自身初のトップに浮上した。「昨日も今日もすごく運に恵まれていて、実力以上にバーディーやイーグルを取れた。本当にいい週だなっていう感じ」。端正な顔に柔らかな笑みが広がった。
ゼロパットのバーディーを3つ重ねた。「超ラッキー」と振り返ったのはスタートの10番だった。左奥カラーからの10メートル超をウェッジで沈めてチップインバーディーでスタートした。18番からの4連続バーディーで勢いは加速した。後半2番でティーショットを右に曲げたが、ピン左カラーから8メートルをパターで沈め、3番はグリーン左奥から13ヤードをウェッジで放り込んだ。「去年の後半戦あたりから自力でレギュラーツアーに出られるようになって、ちょっとずつ成長は感じているけど、こういう伸ばし合いの時にいいスコアで回れたのはうれしい」と語った。
2022年賞金王の比嘉一貴のエースキャディーを務めた岡本史郎氏(51)とタッグを組んでいる。「僕は元々(スコアが)68くらいで満足しちゃうタイプだった。それを『まだいけるっしょ』っていう感じで上げてくれる。キャディーさんのおかげ」。レギュラーツアーでは精神的に一歩引いてしまう自分がいたが、岡本氏のジョークが気持ちを楽にしてくれる。
中島啓太、平田憲聖、蝉川泰果らと同じ2000年度生まれ。同学年の存在が刺激になっている。「本当に大きい。同級生もだし日大の先輩もだし、後輩の杉浦悠太が優勝したり。続きたい」。パーキープ率は89・869%でツアー全体1位を誇る。堅実なプレーが強みだが、この日は9バーディーを量産し「いい意味でらしくないので、うれしい」と口にした。
オフにはプロ野球広島の松山竜平野手の自主トレ(鹿児島)に参加した。「迷惑になっているんじゃないかな、これ…っていうくらいレベルが違う。すごくいい経験をさせてもらった。食べる量がとにかく多いし、(トレーニングで)扱う重量が全く違う。僕の倍かそれ以上。すごい」。アスリートとして多くことを吸収した。
下部ツアーでは今季初優勝を飾ったが、レギュラーツアーは6月のBMW日本ツアー選手権森ビル杯での6位が最高だ。「あわよくば今週でシード確定か、優勝争いできたらと思っている。レギュラーツアーでの優勝争いがまだないので、それを今週できて、それで勝てたら最高だなと思う」。初シードどころか、初優勝が見える位置で週末へ向かう。