甘いマスクの“ジェラート王子” 異例の二刀流ゴルファー・石塚祥利が首位に急浮上


石塚と写真に納まるジェラート店を経営する長兄・祥平さん(右)と次兄・祥成さん(左)

石塚と写真に納まるジェラート店を経営する長兄・祥平さん(右)と次兄・祥成さん(左)

◆男子プロゴルフツアー Sansan・KBCオーガスタ 第2日(29日、福岡・芥屋GC=7293ヤード、パー72)

 プロ5年目の石塚祥利(しょうり、22)=芥屋GC=が16位で出て9バーディー、ボギーなしで大会コース記録に並ぶ63をマークし、通算13アンダーで単独首位に急浮上した。右利きだが、パットだけ左打ちの異色の“二刀流”。大会最多タイの6連続バーディーと量産し「100点以上です」と自賛した。兄・祥平さん(31)が営み、今大会に出店するジェラートを食べて絶好調。福岡市出身、所属コースで5度目の大会出場で初の予選突破を決め、初優勝へ一気に突き進む。

 酷暑の中、異色のスイッチヒッターが地元を歓声で包んだ。前半の14番。レギュラーツアー今季初出場の石塚は第2打を右打ちでピンそば1メートルに絡めると、パットは左打ちで沈めた。後半の1番まで大会最長に並ぶ6連続バーディー。所属コースで大会記録タイ、ツアー自己最少を5打更新する63をたたき出した。「めっちゃうれしい。KBCで9アンダーが出るなんてビックリ」と目を輝かせた。

 右打ちで3歳からゴルフを始めた。5年前、パットの両打ちに転身。中2でパターイップスになりながらも右で打ち続けたが、福岡・沖学園高3年だった20年夏の試合中のパットで急に両手が動かず。「1メートル以内を3パット連発。これは無理だな」。ピン型のパターを使っており、後半9ホールは思い切って左打ちに変更。するとスムーズに手が動き「左にしよう」と決断した。

 構えた時の目線も、手の感覚も激変し「最初はどこを向いているか分からなかった」。特に距離感に苦戦したが5歩、10歩、15歩を打つ練習をひたすら重ねた。異色の二刀流は5年目。この日は9番で10メートルをねじ込み、ガッツポーズを見せた。

 地元・福岡で3人兄弟の末っ子。長男の祥平さんが経営するジェラート店が今大会にキッチンカーを出店し、次男・祥成さん(29)と販売。石塚は初日から2日連続でジェラートを食べてパワーをもらい「家族で応援してもらい、うれしい」と感謝。18ホール帯同した長兄は「ゾーンに入っていた」と絶賛した。

 3年前のオフからプロ野球・ソフトバンクの周東佑京内野手(29)らの合同合宿に参加。短距離走などで足腰を強化し、酷暑下の熱戦にも「足の疲れは減った」と言う。予選通過は3年ぶり2度目、それも2位と3差の首位で週末へ。「ギャラリーを沸かせるプレーで戦いたい」。甘いマスクの“ジェラート王子”の笑顔がはじけた。(星野 浩司)

 〇…ツアーデビュー戦となった13歳のアマチュア・広橋璃人(宮城・上杉山中1年)は3バーディー、5ボギー、1ダブルボギーの76と落とし、通算8オーバーの126位で予選落ち。「出来は70点。すごい楽しくて、いい経験ができた」と笑顔を見せた。叔父でプロ野球・米大リーグのマリナーズなどで活躍した岩隈久志氏(44)が現地で初観戦。「トッププロの中で自分のプレーにしっかり徹し、素晴らしいショットだった。今後が楽しみ」とおいっ子に期待を寄せた。

 ◆左右両打ちの選手 男子ツアー未勝利の高橋慧(27)は基本は右打ちだが、7~9アイアンは左打ちでショット。下部ツアー1勝の大田和桂介(36)はショットは右打ち、パターのみ左打ちでプレーする。ツアー31勝で永久シードを保持する片山晋呉(52)は右打ちだが、「スイングのバランスをつかむため」と左打ちで練習する。女子でツアー5勝の服部真夕(37)は右打ちだが、数年前にイップスを発祥したアプローチの時だけ左打ちで戦っている。

 ◆石塚 祥利(いしづか・しょうり) 2003年1月24日、福岡市出身。22歳。競技ゴルファーの父・祥貴さんの影響で3歳でゴルフを始める。福岡・沖学園高3年時の2020年にプロテスト合格。21年プロデビュー。ツアー10戦に出場し、予選通過は22年日本プロ選手権(60位)のみ。25年は下部ツアー4戦に出場。得意クラブはドライバー。好きな歌手はエド・シーラン。175センチ、71キロ。家族は両親、兄2人。

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