
天皇杯決勝へ向けて取材に応じた黒田剛監督(カメラ・浅岡諒祐)
J1町田は20日、東京・町田市内で、神戸との天皇杯決勝(22日・国立)へ向けた調整を非公開で行った。大会2連覇を目指す神戸に、町田は初タイトルを狙う。今季、神戸とは1勝1敗と互角。横綱との対戦に黒田剛監督は「この決勝という舞台で競り勝つことで、我々の成長があり、次の世代に町田の名を刻まれていくことを証明できるタイミングになる。相手をリスペクトしつつ、胸を借りるつもりでチャレンジャー精神で当たっていきたい」と言葉に力を込めた。
決勝の舞台は国立競技場。青森山田高の監督時代に何度も戦った舞台だ。「よく国立には魔物が住んでいると言われるように、あっけないゴールで終了したり、1―0で終わるとか、何げない(プレー)1つがPKになる。特別なことが起こりやすいのがこのステージ」。青森山田を指揮した28年間で、全国高校選手権の決勝には6度上がり(うち3度優勝)、勝利も敗北も経験した。高校サッカーとプロで違いはあれど、誰よりもトーナメント決勝の重圧を経験し、戦い方を熟知する。
頂点を経験したからこそ、優勝の価値も理解している。「優勝と準優勝では、記録も記憶も、薄れていくものと残っていくもので大きな違いがある。重くならずに、(1位と2位の違いを)意識させながらこの1試合を戦っていく」。1989年にFC町田トップとして歩み始めてから、36年。天皇杯という栄冠を手にし、町田の名前を後世に残す。

