2週連続でまさかの不運…渋野日向子「ぎっくり首」で国内ツアー初棄権 ハリ治療やテーピングの処置も実らず


12番のグリーン上でつらそうな表情を見せる渋野。首付近の痛みで途中棄権した(カメラ・豊田 秀一)

12番のグリーン上でつらそうな表情を見せる渋野。首付近の痛みで途中棄権した(カメラ・豊田 秀一)

◆女子プロゴルフツアー 大王製紙エリエールレディス 第1日(20日、愛媛・エリエールGC=6595ヤード、パー71)

 2019年大会覇者の渋野日向子(27)=サントリー=が国内ツアー74戦目(アマ時代含む)で初の途中棄権となった。スタート前の練習で左の首に急激な痛みが襲う「ぎっくり首」となり、12ホール終了後にプレー続行を断念。米ツアーの来季出場権をかけた12月の最終予選会(アラバマ州)へ不安を残した。初の年間女王に王手をかけている佐久間朱莉(23)=大東建託=、2週連続優勝を狙う脇元華(28)=GMOインターネットグループ=が首位発進した。

 渋野が無念の棄権を決断した。首の激痛を抱えたままプレーし、前半の13、14番、17、18番と2度の連続ボギー。12ホール目の3番パー3でトリプルボギーをたたき、6オーバーの88位に後退した後、プレー続行を断念した。クラブハウスに戻った際は報道陣の取材に応じず、険しい表情でロッカールームに引き揚げた。

 渋野に代わり、状況をマネジャーが説明した。この日朝、気温9度と冷え込む中、練習場でドライバーショットをした瞬間、首の左側に急激な痛みが走り「ぎっくり首になった」という。ハリ治療やマッサージを行い、テーピングも施してスタート。痛みに耐えながら前半9ホールは回りきったが、3番で第1打を右へ大きく曲げてOBとし、スコアを3つ落とした。直後、キャディーと話し合って棄権を決めた。

 国内ツアーでの棄権は74戦目で初めて。主戦場の米ツアーでは昨年8月のスコットランド女子オープンで左の股関節からでん部にかけた痛みで棄権している。マネジャーは発症した状況を「試合中は初めて」と説明し、「非常に楽しみにしてた大会。昨日までショットは非常にいい状態で、パットが入ればと話してた。非常に残念がっていた。推薦をいただいた責任感もあり、本人は『やり切る』と話してたけど、今後のこと、今の状況、気持ちも考えて棄権した」と渋野の思いを代弁した。

 渋野は前週の米ツアーで予選落ち。今季年間ポイントランクは104位でシード確保を逃し、悔し涙を流した。今後は状態を見て治療などを検討するが、2週後には来季の米ツアー出場権をかけた最終予選会に出場予定。19日には「4日間戦って、いいイメージを持ってQスクール(最終予選会)に行きたい」と意気込んでいたが、大一番へ不安を残すことになった。(星野 浩司)

 ◆ぎっくり首 首の筋肉やじん帯が急激に損傷して起こる激しい痛みを伴う状態の通称。正式には「急性けい部痛」「急性けい部ねんざ」と呼ばれる。寒い時期は首周りが冷えて筋肉が硬直して症状が出やすく、ゴルファーが痛めることもしばしばある。

最新のカテゴリー記事