
18番、セカンドショットを放つ下家秀琉(カメラ・岩田 大補)
◆男子プロゴルフツアー ダンロップフェニックス 第1日(20日、宮崎・フェニックスCC=7117ヤード、パー70)
567ヤードのパー5から512ヤードのパー4に変更になった4番は、平均ストローク4・5952の最難関ホールになった。この日のバーディーは海外招待選手のアレハンドロ・デルレイ(スペイン)と10月のバンテリン東海クラシックでツアー初優勝を手にした下家秀琉(エレコム)の2人だけだった。
下家は5バーディー、1ボギーの4アンダー66をマークしトップと2打差の2位と好発進を決めたが「たまたまが多かったです。ピンチばっかり。ミドルパットがよく入ってくれました。本当にたまたまだと思う。なんでこんなスコアで回れたのかなっていう感じです」と表情はさえないままだった。日本勢ただ一人の4番のバーディーは、グリーン右手前から15ヤードをチップイン。「強く打ちすぎたのでボギーだな、と思ったら入りました」。やはりここでも、たまたま感を強調した。
前週の三井住友VISA太平洋マスターズは予選落ち。「自信がなくなりました。取り戻そうと練習をしたけど、そこまで調子は戻っていません。パッティングが謎に良くて…」。今週ピン型からマレットに変えたパターが活躍した一日だった。何度もピンチに陥りながら、しぶとくパーパットをねじ込んだ。
大阪学院大の先輩の平田憲聖が米下部ツアーでポイントランク15位に入り、来季レギュラーツアーへの昇格を決めた。「『アメリカで待っている』とは言われるけど、全然僕は格下なので…追いつけるように頑張りたいです」と控えめに消え入りそうな声で言った。
バンテリン東海クラシックの表彰式の優勝スピーチに、プレー以上の緊張感を覚えたシャイな23歳。前夜の夕食も一人だった。牛肉、地鶏など食事も充実の宮崎だが「びっくりドンキーに行きました。生源寺(龍憲)さんが3人で食べていました…」。その隣で、静かにハンバーグと向き合った。
海外志向は強い。「こういう海外勢が参戦する試合で上位に行きたい」と目標を掲げつつ、また控えめにつぶやいた。「予選を通ればいいかなと思っていたので、良かったです。明日多分どうせ打つので、打たないように耐えて頑張ります」。優勝争いに加わり、自信を取り戻す。

