【JTカップ】国内男子ツアー200人中、レフティーは細野勇策ただ1人…その理由は


2番第1打を放つ細野勇策(カメラ・古川  剛伊)

2番第1打を放つ細野勇策(カメラ・古川 剛伊)

◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー 25年シーズン最終戦 メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第1日(4日、東京よみうりCC=7002ヤード、パー70)

 プロ転向5年目のレフティー、細野勇策(22)=三共グループ=が7バーディー、1ダブルボギーで5アンダー、65をマークした。首位と2打差の2位と好発進し、左打ち選手が大会を制覇すれば、日本勢では1981年の羽川豊以来44年ぶり2人目。国内メジャー史上でも3人目の快挙となる。23年に22歳326日で制した蝉川泰果(24)=アース製薬=に次ぐ、大会年少2番目の22歳332日でのツアー初優勝を狙う。宋永漢(ソン・ヨンハン、34)=韓国=が、7アンダーの63で単独首位で滑り出した。

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 日本では全人口の約10%ほどしかいないと言われる左利き。今季の国内男子ツアーメンバー200人のうち、パットだけ左打ちの石塚祥利(しょうり、芥屋GC)ら珍しい例はあるが、ショットとパットともに左打ちは細野ただ一人だ。

 米国にはフィル・ミケルソン、バッバ・ワトソンら左打ちの名選手もいるが、日本のゴルフ界では希少だ。道具や練習環境が大きな理由。左利き用のジュニア向けクラブは極めて少ない。練習場の打席は右打ちの客に迷惑のかからない一番端に配置されることが多く、思う存分練習することは難しい。当然、左打ちの指導者も少なく、プロまで成長しにくいのが現状だ。

 国内女子の岡本綾子、同男子の細川和彦…。もともとの左打ちから、右打ちへ“矯正”してプレーした選手も多い。一方で細野は幼少期から不便を乗り越え、繊細な感覚がショットに伝わる左利きを貫き、成長してきた。歴史の扉を開く期待がかかっている。(ゴルフ担当キャップ・星野 浩司)

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