
12番ティーショットを放つ蛭田みな美。通算11アンダーで首位をキープした(カメラ・今西 淳)
◆女子プロゴルフツアー ▽富士通レディース 第2日(16日、千葉・東急セブンハンドレッドC西コース=6717ヤード、パー72)
プロ11年目の29歳、蛭田みな美(YUASA)が“覚醒”した。首位タイから出た第2ラウンドは、5バーディー、1ボギーの68をマークし、スコアを4つ伸ばして通算11アンダーでトップをキープした。今季、今大会で皆勤の31戦連続出場。11回予選落ちから11戦連続で予選を突破し、前週のスタンレーレディスホンダでは今季自己最高順位の4位タイに入り、今大会で急伸。尻上がりに調子を上げている要因は、苦手だった「スライスライン」のパッティングで一度も失敗していないことだ。
第1日に量産した7バーディーのうち6つ、この日は5つのバーディーについて「きょうもスライスしか入っていない」と笑った。圧巻は15メートルにつけた9番(パー4)。「きょうも危なげなかったですね」と胸を張った。
ホステスプロで大会最多4度目制覇を狙う古江彩佳(富士通)が猛追し、11アンダーでホールアウト。ちょうどボギーをたたいた14番で、順位は2位に後退したが、16番でバーディーを奪い返し、首位に踏みとどまった。追撃にも「ノンプレッシャーでした」といい「初日から奇跡的なバーディーはなかったし、優勝できるゴルフはできている」ときっぱり。2023年のCATレディース以来、2勝目に自信を示すほどだった。
メルセデスランク37位の蛭田は、今大会で同35位以上に出場権利が付与される11月の日米共催大会「TOTOジャパンクラシック」に向けて大きく前進。順位や結果次第で確定するが、もはや「優勝すれば一発で決まる」ときっぱり。3日に同組となる古江とのラウンドに向け「さすが、古江ちゃん、すごい伸ばしましたよね。食らいついていきたい」と意気込んだ。
福島・鮫川村出身で、地元で獣医師を営む父・宏さん(66)が、この2か月は休業しキャディーについている。おっとりトークで笑顔を絶やさない娘だが、宏さんによると予選落ちに苦戦した前半を「相当苦労した」と振り返る。「今年は5月のリゾートトラストレディスからあまりにもひどくていろいろ見直してきた。パッティングのメカニズムを論理的に考えるようになった。頭を上げないようにしたり、クロスハンドにしたりと」。試行錯誤を繰り返したが、「技術的な部分で見直していたころに、バックスイングも上がらない、テークバックもできないぐらい、イップスのような状態になることもあったんですよ」と明かす。3歳からゴルフを始め、学法石川高時に日本女子アマ、日本ジュニアを制覇するなど、世代を代表するトップアマとして活躍したが、プロ入り後は山あり谷あり。父も「アマ時代に良かったことがプロになってから通用しなくて崩れてしまってね。それを直そうと頑張ってきました」と明かした。パッティング専門コーチの平田智氏にも師事させた。
みな美は「目標の予選通過はクリアしたので優勝目指して頑張りたいですね。この2日間は優勝を狙えるゴルフができているので」と意気込みを語り、自己申告の優勝確率は「88%」。末広がりの8を並べる余裕も見せていた。

