今年2月に米ツアーで初優勝を飾り、女子ゴルフ界で躍進している野村敏京選手。
今季のバーディー率は2位となっているが(6月現在)、その原動力となっているのがショートゲームの向上です。野村選手は、オフにパットとアプローチの練習を徹底して取り組んだと言います。
それでは、「ショートゲームの向上」は、ゲームにどのような変化をもたらすのでしょうか?
今回はショートゲームについて考えてみましょう。
早速、以下の項目をチェックしてみてください!!
- スコアを伸ばしたい
- ショートゲームで崩れることを避けたい
- 飛距離が出るけど、ショートゲームが苦手でスコアに反映されない
- パーセーブ率が低い
- チャンスを決められない
- 簡単なところから、トップやダフリを繰り返す
- バンカーから1回で脱出できない
このような状態に陥っているとしたら、今取り組んでいるメニューを再考すべきです。
一般的にショートゲームに費やされる時間や質は、ゴルフのレベルが上がるほど比重が増してくる傾向にあります。
もし、全体の2割以下の内容だとしたら、5割から7割へと質・量ともに改善すべきです。
ショートゲームの改善は、突然現れません!
例えば、アプローチには3種類のスキルがあります。
*ランニングアプローチ
*ピッチエンドラン
*ピッチショット
- これら3種類のボールポジション、アドレス、ボールとの距離、グリッププレッシャー、クラブフェースワークを練習します。
- 次ぎに5・10・15・20・25・30ヤードと距離感を習得するために練習します。
- さらに、左脚上がりや、つま先上がり等の傾斜地からのショットスキルを確認していきます。
1度うまくいった内容であっても、次の練習で初回の1打目が失敗に終わることがあります。これでは、本番で最初にミスが出てもおかしくないわけであり、これを克服するために、緊張感をともなう違う状況からの練習が効果的となります。
プロや上級者が行う練習法を挙げてみましょう。
*同じ距離から、3つの種類のスキルを練習する方法
目的: | 確率の高い打ち方を導くことができるようになります。 |
注意点: | ランニングはグリッププレッシャーを強くし、ピッチショットはソフトにします。 |
*同じスキルで、違う距離から練習する方法
目的: | 距離感を磨くことができます。 |
注意点: | 苦手な技を避けて、得意な練習に固執する場合があります。 |
スキルを磨くことは大切でありますが、一番重要なことは、あらゆる状況において確率の高い方法を導けるようになることです。
◆プロや上級者の視点
- 簡単なところから、簡単に寄せる
- 難しい状況さえも、楽しむことができる
- アプローチ+パター=2打がセットになっている
付け加えて、アベレージゴルファーとの違いは、寄らなかった後の精神状態です。
- 2m以内に寄らなかったので、諦める(アベレージゴルファー)
- 3m以上残してしまったので、絶対に入れる(プロ・上級者)
ショートゲームや100ヤード以内が上手いとは、スキルが高いだけではなく、精神的に追い詰められた状態での高い集中力(1打も落とせない状況からの逆転)に見ることができます。
*3打目、バンカーからのチップインバーディー
*グリーン手前の左脚上がりのラフからのチップイン
*3パットしてもおかしくない25mを超えるロングパットからのバーディー
多くの練習や質の高いメニューを行ったとしても、本番で失敗してしまうことを避けることはできません。
成功の確立を上げるために努力することは、1度もミスしないことを目指すのではなく、最善を尽くすゲームを目指すことであり、置かれた状況を楽しむことだと思います。
寄らないから、センスがない・つまらないではなく、寄らないなら、寄せるまでの工夫の余地が残されていると考えると面白いとなります。
読者の皆さん、今回の内容はいかがでしたでしょうか?
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◆小暮博則(こぐれ・ひろのり)
1972年11月27日生まれ。埼玉県出身。明治大学商学部商学科卒業。JGTO(日本ゴルフツアー機構)プロ。PGAティーチングプロ。2003年 JGTO ファイナルQT進出。2013年から東京慈恵会医科大学ゴルフ部コーチに就任している。就任後、同大学は2013年度全日本医科大学ゴルフ連盟秋季大会個人優勝、2014年度全日本医科大学ゴルフ連盟春季大会団体優勝を果たす。PFGA(パーフェクトゴルフアカデミー)のゴルフスクールを主宰し、赤坂(東京都)と小手指(埼玉県)にて展開している。 著書に『一生ブレないスイング理論 “左重心スイング理論”でゴルフの常識が変わる』(カンゼン)がある。
PFGA(パーフェクトゴルフアカデミー)ゴルフスクール
http://pfga.co.jp/