◆女子プロゴルフツアー スタンレーレディス最終日(9日、静岡・東名CC、6586ヤード=パー72)
日没サスペンデッドとなった第2ラウンド(R)の残りを行った。前週の日本女子オープンを制したアマチュア・畑岡奈紗(なさ、17)=茨城・ルネサンス高3年=はイン9ホールを1バーディー、1ボギーの36で回り、通算4アンダーの4位で終えた。10日に都内でプロ転向会見を開き、宮里藍(18歳3か月)を更新して史上最年少ツアープロとなる。ツアー史上最年少優勝記録保持者のアマ・勝みなみ(18)=鹿児島高3年=は7位。韓国のアン・ソンジュ(29)=モスバーガー=が、今季2勝目となるツアー通算22勝目を飾った。
ツアー史上初のアマ2連勝の快挙はならなかった。2打差を追った畑岡は17番、18番のティーで数回ジャンプ。「絶対にバーディーを取らないといけない、と緊張しました」。最終18番で3メートルのバーディーパットを右に外した。「(この日の9ホールは)あっという間に終わってしまった。頭の中で全ホールバーディーのイメージはできていたけど、イメージした通りのボールが打てなかったですね」
前日に続く、同学年の勝とのツアー優勝経験アマ同組対決。14年の日本ジュニア最終日、勝に6打差逆転された悔しさをバネに前週の日本女子オープン初Vの偉業を成し遂げた。「(勝を)気にしないようにしても、スコアが一緒で気になっていました」。荒天でスタートが2時間遅れる難条件に負けず、13番では2メートル半を沈めた。勝を1打抑え、ツアー出場5戦目で4度目のローアマを獲得した。
ブレザーを来て出席した表彰式は“アマ卒業式”になる。「中学1年でやっと全国大会に行けたことを考えたら中学、高校の6年ですごく成長できました」。10日午後に都内でプロ転向宣言会見を開く。キャディーを務めた母・博美さん(46)は「疲れてはいたけど、最後まで集中していましたね」と健闘をたたえた。同行して見守った父・仁一さん(51)も「精いっぱい悔いなくやってくれれば、それで十分です」とうなずいた。
海外志向の強い畑岡は来年の米ツアー参戦が当面の目標だ。「バックナインのパットが課題」と12日に渡米し、20日からプロデビュー戦の米女子ツアー第2次予選会に臨む。26日に帰国予定で、伊藤園レディス(11月11~13日・グレートアイランドC)が国内プロ初戦となる可能性が高い。(榎本 友一)
◆優勝したアマ選手のプロ転向 日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の規定では、所定の手続きを経て同協会のTPD事業部会に承認されれば、ツアープロとしての単年登録が可能となり「優勝の翌日から365日以内」の出場資格を得る。畑岡の申請期限は優勝の翌日から10月21日午後5時まで。既に3日のLPGA理事会で承認される方向性は確認されており、所定のTPD登録申請書に記入して50万円のTPD登録料を支払えば認められる見込み。プロテスト受験者や最終予選会出場者は18歳以上との規定があるが、単年登録については年齢制限の条項はない。