アン・シネ余波!?ギャラリー携帯「ピリリリ」、カメラ機材「キシキシ」、同組選手「ピリピリ」


報道陣やギャラリーを引き連れ移動するアン・シネ(右)。通算5アンダー16位で予選通過した(カメラ・酒井 悠一)

報道陣やギャラリーを引き連れ移動するアン・シネ(右)。通算5アンダー16位で予選通過した(カメラ・酒井 悠一)

 ◆女子プロゴルフツアー アース・モンダミンカップ第2日(23日、千葉・カメリアヒルズCC)

 14位から出た韓国の「セクシークイーン」アン・シネ(26)=NOW ON=は3バーディー、1ボギーの70で回り、通算5アンダー16位で2戦ぶりに予選通過を果たした。昨年より535人多い2972人が詰めかけ、初日より約100人増の約300人がアンの組に同行。同伴競技者がカメラマンの機材音やギャラリーの携帯着信音に注意を促す“ピリピリムード”の中で伸ばし、11アンダーで首位の成田美寿々(24)=オンワードHD=を追う。

 強い日差しが照りつけるスタートの1番グリーン。和やかな雰囲気が一瞬で凍った。シネと同組だった西山美希(24)のパット直前、静寂の中でカメラマンの機材からキシキシと音が鳴った。これにツアー通算6勝の吉田弓美子(30)が注意を促し、プレーを終えるとスタッフに歩み寄って改善を求めた。5番でもギャラリーの携帯が鳴り、吉田がティーグラウンドから「切ってください」とお願いした。

 ギャラリーのマナー違反や、人気選手の動きばかりを追うカメラマンが同組選手のプレーに影響してしまうケースは松山英樹、石川遼、宮里藍らの国内ラウンドでもたびたび見られた。2013年には選手会長にあたるミーティング委員長を務め、チャリティー活動にも積極的で人望が厚い吉田も我慢ならなかったのだろう。シネは関係者に「私も同じ立場なら怒る。気持ちは分かる」と語り、理解を示した。神奈川・厚木北高で吉田の後輩だった西山は「私を守ってくれたのかな」と感謝した。

 “ピリピリムード”にも動じず、シネは1番3メートル、7番4メートル、18番3メートルと1週前の韓国ツアーから投入したパターを駆使し、首位と6打差の16位で予選を通過。別の関係者は「韓国ではギャラリーがうるさいのは当たり前だから」と説明した。今大会の賞金総額は今季2番目に高い1億8000万円で、日本参戦初年度での来季シード権獲得へ大きな意味を持つ。第3日は吉田、ユン・チェヨン(韓国)と同組。「最善を尽くして上位に入りたい」と力を込めた。(岩原 正幸)

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