◆男子プロゴルフツアー アジアパシフィックオープン・ダイヤモンドカップ最終日(24日、千葉・カレドニアンGC)
1打差3位から出た片岡大育(28)=Kochi黒潮CC=が4バーディー、3ボギーの70で回り、通算12アンダーとし逆転で今季初V。通算3勝目を飾った。身長167センチの“飛ばない男”は得意のユーティリティー(U)の正確さを武器に、アジアンツアーとの共催試合で2年シードを獲得、世界への足掛かりをつかんだ。73と失速した高山忠洋(39)=スターツ=らが10アンダーで2位。
195ヤードの17番パー3で勝負を決めた。直前の16番で単独首位に立った片岡は3Uを振り抜くと、ピン50センチに。「あんなにぴったりとは思わなかった」と語るスーパーショットで後続を引き離し、約1年ぶりVをたぐり寄せた。
167センチの小兵はドライバーの平均飛距離が269・4ヤード(105位)。「(07年に)プロになったが(飛距離で)勝負にならず、もうやめようかと泣いていた」と青山充コーチ(45)。200ヤード前後からグリーンで球を止めやすい3U、4Uを磨き、この日の勝利を呼び込んだ。
3勝すべて逆転。2日目には首位に8打離され「本当に勝てるとは」と驚き。今週に入り、3か月ぶりに青山コーチを招き、ショット、パットを修正する執念が実り、「そのへんはしつこい」と胸を張った。
偶然にも女子の畑岡奈紗とは2年連続同一週V。「名字も似てて、何か縁を感じる」と親近感を持つ一方で「でも昨年は紙面を取られたんですよね」とも。これで18年からのアジアンツアー2年シードを獲得。「将来は欧州にもチャレンジしたい。来年以降は忙しくなっちゃうな」と意欲をみせた。(岩原 正幸)