世界選抜9大会ぶり勝利へ松山は殻を破った プライス主将が太鼓判


 【ジャージーシティー(米国)26日=高木恵】男子ゴルフの米国選抜と欧州を除く世界選抜による団体対抗戦、プレジデンツカップは28日から4日間、リバティーナショナルGC(7328ヤード、パー71)で行われる。3大会連続出場の松山英樹(25)=LEXUS=は世界選抜のエースとして、チームを98年以来9大会ぶりの勝利へ導く覚悟。世界ランク1位のダスティン・ジョンソンら強敵ぞろいの米国を、アウェーの舞台で撃破する。

 米国優勢の前評判を、松山の世界選抜が覆す。チーム12人の中で世界ランクは最上位の3位。エースとしての期待に「まあ…エースはアダム(スコット)とジェイソン(デー)ですよ」と謙遜しつつ「チーム戦になったら思わぬ力が出ることもある。一生懸命、頑張りたい」と意気込んだ。

 対岸に摩天楼を望むリバティーナショナルGCを、途中から加わった11年マスターズ覇者のシャール・シュワーツェルとペアを組みながら回った。「マッチプレーなのでバーディーの取り合いになる。自分の状態はまだ良くないけど、上げていけるようにしていきたい」。前週のツアー選手権最終日のバックナインで5バーディーを奪い、復調の兆しをつかみつつある。

 3大会連続の選抜入りは、回を追うごとに存在感を増している。「英語はいまだに全くしゃべれないけど、毎週試合会場であいさつくらいはするので、みんながすごくよくしてくれている」。ニック・プライス主将は「過去の2大会と比べてヒデキは殻を破った。シャイなヒデキが今はチームのみんなと打ち解けている」と変化を口にした。

 1週間のほとんどがチーム行動で、夜も一緒に食事をする。この日の午前は両チームがNBCの人気テレビ番組「Today Show」に生出演。全米2000万人が視聴する国民的番組に松山も登場した。「僕はあまりすることがないので。こういう時に日本語しかしゃべれないのは、ちょっと楽かなと思う」と笑った。

 ■98年のMVP丸ちゃん再現

 過去11回は米国選抜が9勝、世界選抜が1勝、引き分けが1回で米国が圧倒している。「個人戦の方が、よっぽど楽。今週の方が緊張するけど、楽しめるかなとも思う」。世界選抜が唯一勝利した98年大会は、丸山茂樹がMVPを獲得。9大会ぶりの勝利へ、松山がMVP級の活躍を再現する。

 ◆丸山茂樹の98年大会(オーストラリア・メルボルンGC)

 ▽初日 フォアサムで、豪州のクレイグ・パリーと組み3―2でジャンセン、ホーク組に勝利。午後のフォアボールでは、尾崎直道と組み4―3でホーク、ヒューストン組に圧勝。

 ▽2日目 パリーと組んだフォアサムで、タイガー・ウッズ&フレッド・カプルス組を1アップで撃破。尾崎と組んだフォアボールでは、米賞金王のデビッド・デュバル、フィル・ミケルソン組を3アンド2で下した。

 ▽最終日 シングルマッチで、ジョン・ヒューストンを3アンド2で破り両軍唯一の5戦全勝。世界選抜を初勝利に導き、MVPに。

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