小平智が結婚初V「優勝したよ~」史上初「夫婦賞金王」へトップ浮上


今季初優勝を決めキャディーと抱き合って喜ぶ小平智(カメラ・谷口 健二)

今季初優勝を決めキャディーと抱き合って喜ぶ小平智(カメラ・谷口 健二)

 ◆男子プロゴルフツアー トップ杯東海クラシック最終日(1日、愛知・三好CC西C)

 第2日から首位を走っていた小平智(28)=Admiral=が5バーディー、2ボギーの69で回り通算14アンダーで昨年10月以来のツアー5勝目を挙げた。3月に08年賞金女王・古閑美保(35)と結婚後初優勝。所用で不在だった愛妻に吉報を届け、賞金ランクは4位からトップに浮上。今季の予選通過率100%の28歳が、ゴルフ界史上初“夫婦賞金王”へ突っ走る。

 愛妻に幸せを届けた。最終18番。小平は1メートル半のウィニングパットを沈め、右腕を握った。「一番に優勝を届けたかったのはミホだった」。表彰式直後には18番グリーン上でテレビ電話。画面越しに見つめ合い「優勝したよ~」と報告した。「いい勝ち方ができてよかったね!」。アツアツの言葉が返ってきた。

 好調のパットが救ってくれた。魔の16番。自身と2打差の15アンダーで単独首位だった同組の金亨成が、崖下に入れてトリプルボギー。「人のミスは望まないけど、ドラマが生まれた。チャンスがきた」。小平はパーで耐え、13アンダーで時松と並ぶ首位。17番で4メートルを沈めて伸ばし、優勝を引き寄せた。「今までの4勝はパットに不安があった。この優勝で(大会前からの自信が)確信に変わった」。狙って勝利を奪った。

 テレビでは強気で自由奔放なキャラの古閑だが、実は意外と家庭的。脱いだ洗濯物も片づけ、手料理で献身的に支えてくれる。「ストレスなくゴルフができる。一緒にいて楽しいし、落ち着く。そういうところが好き」。

 15年5月の交際当初、応援に来た古閑は「男女で違うスポーツだね」と男子のレベルの高さに驚いた。以来、助言はない。「背中を押してくれるだけ。ゴルフは僕の方がうまいと思ってるし」。元選手だからできる気遣いに感謝した。

 賞金ランクトップに立ち、史上初の“夫婦賞金王”が視界に入った。現在97位の世界ランクを年内に50位以内とすれば、来年4月の海外メジャー・マスターズの出場権が手に入る。「今回勝てば何勝もできるよ」と期待する古閑は、2週後の日本オープンで応援に来る予定。近いうちに披露宴も控える。「この1勝で終わるつもりはない。次はミホと一緒に優勝カップを持ちたい」。次は愛妻の目前で雄姿を見せる。(浜田 洋平)

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