畑岡奈紗、メジャー最多20アンダーで40年ぶりV2


通算20アンダーで大会連覇を達成し、優勝杯を手に2連覇ポーズで笑顔を見せる畑岡奈紗(カメラ・今西 淳)

 ◆女子プロゴルフツアー 国内メジャー第3戦 日本女子オープン最終日(1日、千葉・我孫子GC)

 首位から出た畑岡奈紗(18)=森ビル=が8バーディー、1ボギーの大会最少ストローク65でメジャー最多アンダーパーの通算20アンダーで制した。ほぼ全ホールでグリーン端に切られた難しいピン位置を攻略。2位に8打差をつけて1976、77年の樋口久子以来、40年ぶり2人目の大会連覇を果たした。2週連続Vで18歳261日での最年少メジャー2勝目、通算3勝目。来季米ツアー再挑戦を表明し、2020年東京五輪で金メダル獲得を目指す。

 次元が違う。60台が4人しかいない中、畑岡は18ホールでの大会史上最少ストローク65で、目標の20アンダーに到達。02年に高又順(韓国)が記録した大会最多アンダーパー(14アンダー)を6打更新した。「こんなに差がつくとは」。2位の元世界ランク1位・申ジエ(韓国)に8打差。04年不動裕理の11打差に続く、大会歴代2位の独走だった。

 昨年の劇的なツアー史上初のアマでのメジャーVに続き、樋口久子以来40年ぶり史上2人目の連覇。77年の全米女子プロ選手権を制し、男女を通じて日本人で唯一、海外メジャーを制した伝説の女王に肩を並べた。「自分ができるとは思ってなかったので光栄です」。11番で10メートルのスライスラインを沈め「いい流れで来てるな」とVを確信した。

 ことごとく端に切られ、海外メジャー並みに難しくなった最終日のピン位置も問題にせず、バーディーを量産した。「間違った攻め方をしないで、チャンスを一つ一つものにしていければ大丈夫」と冷静に攻めた。グリーン右端のピンを狙った4番パー3では右奥4メートルへ。これを決めて拳を3回、揺らした。コース距離は6706ヤードと長い設定。「世界で通用する若手に出てきてほしい」(大会関係者)との思いに応え、4日連続の60台を出してみせた。

 日米通算24勝の宮里藍(32)=サントリー=が9月に引退し「これからは私たちの世代が日本を引っ張る。今日の優勝はすごく意義がある」と胸を張った。この日、前週Vで申請した日本女子プロゴルフ協会の正会員となり、国内3年シードも獲得。11月末の米ツアー最終予選会受験を表明し「来季出場権が取れれば、今年の反省を含めて万全で行きたい」と18戦で予選通過6戦と低迷した米ツアーに再び挑む。

 大会には世界ランク6位の田仁智(韓国)らトップ選手が出場してポイントが高いため、2日発表の世界ランクでは103位から50位台、日本人4番手に上がる可能性もある。3年後の東京五輪も視野に入れ「金メダルを取りたい」と力を込めた。(岩原 正幸)

 ◆畑岡 奈紗(はたおか・なさ)1999年1月13日、茨城・笠間市生まれ。18歳。11歳で本格的にゴルフを始め、2013年関東ジュニア選手権2位。中学2年で国内男子ツアー48勝の中嶋常幸が主宰する「トミーアカデミー」の1期生に。14年日本ジュニア2位。15、16年世界ジュニア選手権優勝。15年国体女子V。16年日本女子アマ2位。16年全米女子アマ8強。日本ツアー通算3勝。158センチ、61キロ。家族は両親と妹。血液型A。

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