松山英樹、松井氏の前でトーマス撃破


ラウンド後、松井秀喜氏(右)と握手する松山英樹

 ◆米男子ゴルフ 米国選抜―世界選抜対抗戦 プレジデンツカップ最終日(1日、米ニュージャージー州・リバティーナショナルGC)

 【ジャージーシティー(米国)1日=高木恵】シングルスのマッチプレーが行われ、松山英樹(25)=LEXUS=は宿敵ジャスティン・トーマス(24)を3アンド1で破り、今大会初勝利を挙げた。米大リーグのヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(43)と初対面。「このまま世界のトップを走り続けてほしい」とエールを送られた。通算得点で米国選抜が19―11と圧勝し、7大会連続優勝を飾った。通算成績は米国選抜の10勝1敗1分け。

 残り294ヤードから3ウッドを振った第2打は、グリーン手前からピンへ向かって駆け上がった。4番パー5。松山の一撃はアウェーの観客をも乱舞させた。3メートルのイーグルパットを沈めてリードを奪い、ゲームを支配。「全然まだまだだけど、今日は今できることの限界を出した」。宿敵を撃破し、シーズン最後のラウンドを勝利で締めた。

 年間王者のトーマスとは今季度々優勝争いを演じてきた。全米プロでは最終日を同組で回り、優勝をさらわれた。好敵手との今季最後の一騎打ち。負けるわけにはいかなかった。8番から圧巻の5連続バーディー。その間に負けじと4つのバーディーを奪ってきたトーマスを「やっぱり強いなと思った」。16番までで1イーグル、7バーディーを量産し「久々にいいスコアだった」と口にした。

 ニューヨーク在住の松井氏がテレビ番組の取材で、コースをついて回った。スタート前にはガッチリ握手。日本が世界に誇る2人のヒデキの“共演”に、ニューヨーカーからひっきりなしに声援が飛んだ。松井氏は「『ヒデキ』って呼ばれると、俺じゃないよね?って。下手に手なんか振って『おまえじゃねえよ』とか言われたら嫌なので気をつけました」と笑わせた。

 松井氏は松山の「ファン」を公言する。「トッププレーヤーのオーラ、雰囲気がある」。松井氏だからこそ感じる松山のすごさ。共通点について問われると、09年のワールドシリーズMVPは「僕は世界で活躍していないんで」と謙遜。「本当にトップの中のトップ。同じ日本人として誇りに思う。世界のトップを走り続けてほしい」とエールを送った。

 疲労が蓄積され、プレーオフシリーズでは本来の調子を取り戻せず。今大会中も風邪気味だったが、最終日に復調のきっかけをつかんだ。2週後のCIMBクラシック(マレーシア)が来季の初戦。「体調があまりよくないんで、そこを整えてできれば」。一度帰国し、また戦いの場へ向かう。

 ◆松山に聞く

 ―いいラウンド?

 「1日良かっただけで良くなったとは言えない」

 ―トーマスとの対決だった。

 「みんなはそう言っているけど、気にしていない」

 ―4日間で1勝2敗1分け。

 「ううん…何とも言えないですね」

 ―3大会連続の出場。課題は。

 「英語がしゃべれて何の問題もないようにすれば。それが一番の課題だと思う。キャプテンが(ペアリングを)組みにくいと思うので」

 ―すぐに来シーズンが始まる。

 「状態は良くないけど、こうやって、ちょっとはまればいいスコアで回れるってことが分かったので、少しずつ出来るようにしたい」

 ―すぐに試合が始まる。

 「そうですね。まあ少し休みます」

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