鈴木愛、賞金ランク首位浮上 4年ぶり日本人女王見えた


17番でバーディーを奪い、キャディーとグータッチする鈴木愛(左)(カメラ・矢口 亨)

17番でバーディーを奪い、キャディーとグータッチする鈴木愛(左)(カメラ・矢口 亨)

 ◆米女子プロゴルフ協会公式戦 TOTOジャパンクラシック最終日(5日、茨城・太平洋C美野里C)

 鈴木愛(23)=セールスフォース=が6バーディー、2ボギーの68で回り通算17アンダーの2位。賞金13万7536ドル(1512万8960円)を加算し、欠場のキム・ハヌル(韓国)を1139万円逆転して今季初めて賞金ランク首位に浮上した。13年の森田理香子以来、日本人4年ぶりの賞金女王へ残り3試合に勝負をかける。68のフォン・シャンシャン(中国)が19アンダーで連覇。

 会見場に現れた鈴木は「後半はずっとチャンスにつけて(12、13番で2~3メートルが)入らなくて。(自分に)腹立つわあ」と自虐的に話した。「賞金ランク? 考えてなかった。とにかく優勝したかった」。得意のパットが勝負どころで不発に終わり、悔しさをにじませた。

 それでも2位に食い込んで賞金1500万円以上を積み上げ、6月に最大で3140万円差があったハヌルを一気に逆転。今季35試合目で初めて賞金ランク首位に浮上、日本人4年ぶりの賞金女王に前進した。試合後は日本女子プロゴルフ協会会長で日米欧3ツアー通算15勝の小林浩美氏(54)に「ショットもパットもすごくいい。後はクラブの番手(選び)とか、ちょっとした詰め」と背中を押された。

 現状に満足しない鈴木の姿勢は、4年前のプロ入りから変わらない。最終日の午後5時頃には必ずツアー公式サイトを開き、パーオン率や平均パット数などのデータをくまなくチェックして課題を見つめる。世界ランク4位のフォンと日本人で唯一、堂々と渡り合い「絶対にあきらめないって攻め続けて、成長できた一日。これなら戦える」と手応えを口にした。初の賞金女王へ、ラスト3戦に全てをかける。(岩原 正幸)

最新のカテゴリー記事