永峰咲希、母と二人三脚初V…トップ10入り21回5年目22歳ついに


プレーオフを制しプロ初優勝した永峰咲希(右)は、母・香奈子さんと笑顔を見せた(カメラ・今西 淳)

 ◆女子プロゴルフツアー フジサンケイレディス 最終日(22日、静岡・川奈ホテルGC富士C=6376ヤード、パー71)

 3打差5位から出て、6バーディー、1ボギーの66で回った永峰咲希(22)=ニトリ=が、通算10アンダーで並んだ菊地絵理香(29)=オンワードホールディングス=をプレーオフ2ホール目で下し、ツアー初優勝を飾った。これまでトップ10入りを21回も重ねてきたプロ5年目は、ツアー帯同する母の香奈子さん(46)との“二人三脚”でついに頂点に立った。首位スタートの上田桃子(31)=かんぽ生命=は後半にスコアを落とし、松森杏佳(22)=スターツ=ともに2打差3位に終わった。

 決めれば優勝のバーディーパットが2メートルもオーバーしても、返しのパーパットが外れても、永峰は爽やかな笑みを浮かべていた。最終18番で菊地に追いつかれ、プレーオフに突入。「動揺もあったけど、1打リードしていたからプレーオフに残れた」と前向きに考えた。1ホール目は互いにパー。2ホール目で先にパーを確定。菊地の2メートルのパーパットが外れた瞬間、ツアー初優勝が決まった。

 これまでトップ10入りは21回を数えるが、優勝だけは遠かった。「想像していたより何倍もうれしい。母に感謝したい」。永峰は18番グリーン横で見守っていた香奈子さんに感謝した。

 優しくて、きれいな自慢の母が常に支えてくれる。「いつも小さな炊飯器を持ってきて、おにぎりをつくってくれる。洗濯、移動などすべてやってくれるので私はゴルフに集中することができる」と話す。

 19歳でプロテストに一発合格。2年目の15年からシード選手となったが、昨年は伸び悩みを感じ、今オフは徹底的に自身を追い込んだ。午前9時から昼まで練習場で打ち込み、午後1時から4時まで練習ラウンド。再び5時から8時までボールを打ち続けた。「覚悟を感じた」と香奈子さんも認める努力だった。

 地元の宮崎開催のアクサレディス(3月)も転機となった。自信を持って臨んだが、まさかの予選落ち。「いつも淡々としている咲希が初めてゴルフ場で泣いた。逆に私はうれしかった」。この時、母は娘の“ブレイク”を予感していた。

 この優勝で生涯獲得賞金は1億円を突破。休養に充てる次週の28日に23歳の誕生日を迎える。「一足先に自分にプレゼントできました」。次戦は今季メジャー初戦のワールドレディスサロンパスカップ(5月3~6日、茨城GC西C)。自慢の母とともに戦い続ける。(竹内 達朗)

 ◆永峰 咲希(ながみね・さき)1995年4月28日、宮崎市生まれ。22歳。小学4年からゴルフを始め、宮崎日大高2年時に全国高校選手権を制覇。3年時に日本女子アマで8強。2015年に賞金ランク39位で初シード獲得。16年23位、17年47位で3年連続シード。趣味は音楽鑑賞、テニス。家族は父・賢一さん(51)、母・香奈子さん。158センチ、58キロ。

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