星野陸也、コースレコードで完全初V「賞金王狙いたい」


 ◆男子プロゴルフツアー フジサンケイクラシック最終日(2日、山梨・富士桜CC)

 星野陸也(22)=フリー=が7バーディー、2ボギーの66で回り、通算16アンダーでツアー初優勝を完全Vで飾った。2位以下に5打の大差をつける圧勝で大会コース記録を3打更新した。昨年、賞金ランク次点で出場を逃した日本シリーズJTカップ(11月29日~12月2日)の初参戦が決定。今季は最終戦で大暴れして賞金王を狙い、将来的には世界メジャー制覇を目指すことを宣言した。2位の今平周吾(25)=フリー=は賞金ランク首位に浮上した。

 富士山麓でスケールの大きな新王者が誕生した。難度3位の13番、250ヤードのパー3。星野陸は3アイアンを振り抜くと、ボールはカップに向かい、右20センチにピタリ。もう少しでホールインワンのスーパーショットだった。300ヤード超のビッグドライブを連発し、4日間で26バーディーを量産。初日から首位を走り続ける完全優勝で初Vを飾った。

 「16番あたりから優勝シーンを想像して涙が出そうになった」。ホールアウト直後、茨城・笠間市から駆けつけた家族の顔を見ると感激の涙がこぼれた。

 通算16アンダーで2位に5打差の圧勝。小学生時代から親交がある「兄貴分」で09、10年大会連覇の石川遼(26)や、13年大会覇者の松山英樹(26)のVスコアを超え、05年の丸山大輔、08年の藤島豊和がマークした大会コース記録を3打更新した。「難しいコースでここまでスコアを伸ばせるとは…」と自身も驚きを隠さない。今季の賞金シードを持つ日本選手32人の中で最も背が高い186センチの男が覚醒した。

 ツアーに初めて本格参戦した昨年、賞金ランク31位と健闘したが、満足できなかった。「1人差で日本シリーズJTカップに出場できず、悔しかった。今年はその分、大活躍したい。実はもう(会場の)東京よみうりCCで練習ラウンドをしています」。優勝者、賞金ランク30位以内などエリートだけが参戦できる今季最終戦へ早くも熱い意気込みを明かした。

 賞金ランクは21位から3位に急浮上。「賞金王を狙いたい」ときっぱり。その先にさらに大きな野望を持つ。「25~26歳で米ツアーに挑戦したい。マスターズ、全米オープンに勝ちたい」。プロ3年目で衝撃的な初Vを成し遂げた22歳は、日本一の山を越え、世界で最も高い頂に立つ可能性を秘めていることを証明した。(竹内 達朗)

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