石川遼「期待応える」カシオ前会長の“金言”胸にホスト大会V挑む


 ◆男子プロゴルフツアー カシオワールドオープン(22日開幕、高知・Kochi黒潮CC)

 男子プロゴルフツアーのカシオワールドオープンは22日から4日間、高知・Kochi黒潮CC(7335ヤード、パー72)で開催される。大会主催のカシオ計算機と2013年から所属契約を結ぶ石川遼(27)は、今年6月に亡くなった樫尾和雄前会長(享年89)がのこした言葉を胸に、ホスト大会制覇に挑む。今大会で、2年ぶり10度目となる最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(29日開幕・東京よみうりCC、報知新聞社主催)への出場権を勝ち取る。

 プロアマ戦での6番で、石川がみせた。グリーン右手前約10ヤードからチップインバーディー。“技術”で同組を沸かせた。「全体的に悪くないんじゃないかな。パッティングもいい時の傾向かなと感じている」と冷静に話した。

 08年から過去9度出場し2位3回。13年からはホストプロとして臨んできた相性のいい大会。「今まで、自分が出場してきた大会の中でも勝てそうで勝てていない」と漏らすが、「今週だけ自分が持っていなかった力が出せると思っていない。期待に応えられるように準備して、しっかりとバーディーを狙っていきたい」と力強く語った。

 特別な思いで臨む。6月、13年に契約を結んだ当時の樫尾前会長が亡くなった。直後に「会長の前で、カシオワールドオープンで優勝できなかったのを本当に後悔しています」と悔しがった。「まずは、技術だ。ゴルフ界のイノベーター(革新者)になりなさい」「既成概念にとらわれるな」激励の言葉は今も胸に刻まれており「今週の一つの目的は内容」と恥じないプレーにこだわるつもりだ。

 今大会で、日本シリーズ出場30人が決まる。賞金ランク30位以下で昨年大会優勝の宮里優作(38)フリー=や世界ランク100位の任成宰(20)=韓国=らが出場権を獲得し、現時点のボーダーは同27位のM・グリフィン(35)=オーストラリア=までだ。

 石川は28番手で出場圏内だが、圏外のS・ハン(32)=米国=とは約148万円差。「ここまで来たので、なるようにしかならない。シーズン終わりまで突っ走るしかない」。約2年ぶりとなるツアー15勝目を恩人にささげ、最終戦切符もつかみ取る。(宮下 京香)

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