女子プロゴルフツアーのニトリレディスは29日から4日間、北海道・小樽CC(6650ヤード、パー72)で行われる。2週ぶりにツアー復帰する、海外メジャー・AIG全英女子オープン覇者の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は26日、1番からの9ホールを練習ラウンド(R)し、原因不明の歯痛に悩んでいることを告白。アイアンショットが満足に打てず、連続イーブンパー以上Rツアー最多記録更新への危機感を漂わせる一方で、甘い駄菓子をモグモグするなど“シブコ・ワールド”全開だった。
世界を魅了した“スマイル・シンデレラ”の表情が曇った。休養明けの渋野は午前8時50分から調整。ラウンド中は時折、笑みが消え、右頬を触る場面も見られた。原因は歯の痛み。ティーを挿す時には「顔を下に向けると痛い」と明らかに無理のある姿勢で、顔を上げたまま挿して回った。
2番、8番では第2打のアイアンショットをグリーン手前の池に2発ずつ入れ、「ダメじゃわ~」と青木翔コーチ(36)と苦笑い。渋野によると「4日くらい前から右の上の歯」が痛み出した。「なぞの痛みで激痛。ご飯は食べられるけど、歯を食いしばれないのでアイアンが飛ばない」と不安がつきまとう。
元々、石狩湾が近く強風が吹くツアー屈指の難コース。今大会4日間イーブンパー以上を継続すれば、アン・ソンジュ(韓国)の28Rのツアー最多記録に並ぶが「これはオーバーをたたくでしょうというコース」と悲鳴をあげた。
ところが、弱気発言を連発しながらも、恒例のモグモグタイムは継続。この日は「タラタラしてんじゃね~よ」ではなく、餅のような食感で4色のフルーツキャンディーが入った「キャンディーボックス」を投入。歯痛もどこ吹く風で、待ち時間に甘い駄菓子を頬張るなどらしさ全開だった。
全英制覇後、前週初めて岡山市内の実家で休養。「しっかり寝てグータラして。この生活いいなぁと思いながら生きていましたね」と笑った。2日間は兵庫などで練習もしつつ、かき氷を作り、大好きなソフトボールも見に行ってリフレッシュ。今大会優勝で目標の年間獲得賞金1億円を突破するが「必ず決めたい思いはない。まだ試合数はあるので」。練習後はさすがに歯科医院へ。周囲の喧騒(けんそう)をよそに復帰戦でもマイペースを貫く。(榎本 友一)