石川遼、初のウェッジ4本で“国内開幕”好発進…全米プロ&OPへ「精度を高めていきたい」


ゴルフパートナーエキシビション第1日をプレーした石川遼(JGTO/JGTO Images)

ゴルフパートナーエキシビション第1日をプレーした石川遼(JGTO/JGTO Images)

 ◆日本男子プロゴルフ ゴルフパートナー・エキシビション 第1日(9日、茨城・取手国際GC=6766ヤード、パー70)

 ツアー外競技で日本男子ゴルフが“国内開幕”を果たした。日本ツアー通算17勝の石川遼(28)=カシオ=が7バーディー、1ボギーの6アンダー、64をマーク。首位と2打差の5位と好発進した。5年ぶりの海外メジャー出場となる8月の全米プロ選手権(米カリフォルニア州TPCハーディングパーク)、9月の全米オープン(米ニューヨーク州ウィングフットGC)に向け、4本のウェッジを入れた新セッティングを試し、手応えをつかんだ。堀川未来夢(27)=Wave Energy=が8アンダーの単独首位。

 新型コロナ禍を経て、石川の新たな挑戦が幕を開けた。2月末の米男子ツアー、ホンダクラシック以来約4か月ぶりの実戦。コロナ対策で帯同キャディーは不在となり、石川は自らバッグを担いで回った。スタート前に名前を呼ばれて1番ティーに立ったが、慌ててバッグに駆け寄って白いグラブを苦笑いで取り出した。「かなり緊張がありましたね。直前にロッカーで着替えてて、グラブがどこかにいってしまって」と異例な大会での珍しいハプニングを振り返った。

 断続的に雨が降る中、世界を意識した多彩な攻めでバーディーを量産した。428ヤードの5番パー4は2アイアンで第1打を放ち、6アイアンでの第2打を4メートルにつけてバーディー。3つのパー3で伸ばしてパーオン率は83・33%で全体11位。昨年、課題だったアイアンショットの精度向上を印象づけた。普段なら大歓声を浴びるが雨音の中、黙々と回り「無観客で、キャディーさんがいないという違和感は大きい」と話した。

 試合で初めて4本のウェッジを投入した。アイアンセットのピッチングウェッジ(PW)に代えて47度(140ヤード目安)を入れた。52度(125ヤード)、3アイアンの代わりに56度(112ヤード)を入れ、60度(98ヤード)の4本。昨年までは52度と60度の2本で120ヤード以内を打ってきたが「47度から下のクラブで、高い精度でバーディーをいかに取れるか。これからの自分にとっては勝負になる。得意ゾーンにできれば」と意図を説明した。10番では、60度での第3打を1メートルにつけてきっちりと伸ばしてみせた。

 全米オープンは、昨季日本ツアー賞金ランク上位2人の資格で出場権を獲得。全米プロも世界ランクで出場権を獲得する見込み。「どこまでできるのかを純粋に知りたい」と15年全米オープン以来のメジャー挑戦に目を輝かせる。コロナによる外出自粛期間はトレーニングを継続し「効果の実感はあります」と石川。課題をクリアしながら、世界再挑戦への準備を着々と進めていく。(榎本 友一)

 ◆大会方式 予選落ちなしの36ホールストロークプレー。参加96選手のうち石川ら6人が自らバッグを担ぎ、90人は日本ゴルフツアー機構が用意した電動アシストカートを使用してラウンド。毎日入場前に検温を実施。選手や関係者は目に見える位置に「検温済」と書かれたシールを貼っている。選手1人に1本ずつ消毒液ボトルが支給されている。大会はインターネット放送で生中継。

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