◆米女子プロゴルフツアー ポートランド・クラシック最終日(20日・米オレゴン州コロンビアエッジウォーターCC)
21位で出た渋野日向子(21)=サントリー=は4バーディー、1ダブルボギーの70で回り、通算6アンダーの24位だった。今季は予選落ちを経験するなど不振が心配されたが、日米5戦目で「今年一番、手応えがあった」と復調に笑顔を見せた。野村敏京(27)=フリー=は2オーバーで74位。68で回った24歳のジョージア・ホール(24)=英国=が12アンダーで並んだアシュリー・ブハイ(31)=南アフリカ=とのプレーオフを制し、ツアー2勝目を挙げた。
米本土で自身2戦目となった渋野が復調の兆しを見せた。今季日米5戦目で初めて通算アンダーパーで回り、「まだ自信はないが、予想以上のスコアが出せた」とうなずいた。夏場に見せていた悲壮感漂う表情から一転、本来のスマイルを取り戻した。
2番で4メートルを沈め、バーディーを先行させるとキャディーとグータッチ。しかし、喜びも一瞬だった。3番で「お先に」と打った50センチのボギーパットがカップに蹴られる痛恨のミス。「情けなくて、かなりイラついてしまった」と頭を抱えた。
それでも気持ちを切り替え、6番で5メートルのパーパットを沈める粘りで流れを戻した。「その後ノーボギーはうれしい。ショットが少しぶれたが、アンダーで回れた」。第2日からスイング時に「チャー・シュー・メン」のリズムを頭の中で唱えていたというが、「意識していたけど、最終日にいい位置でかなり力んでしまって。そこは慣れるしかない」と冷静に言った。
後半に入り、10番パー5は第3打でグリーンの傾斜を使い1メートル以内にピタリ。17番は右ラフからピンに当てる、イーグルまであと一歩という“ミラクルショット”を放ちバーディーを奪った。「微妙なパーパットも決めて崩れなかった。全体的にいいラウンドだった」と合格点を与えた。
コロナ禍で約7か月に及ぶ長期オフとなった今年は実戦不足もあり、なかなか調子が上がらず、6、8月の日英3大会で予選落ち。不振が心配されたが9月、米国に渡った2大会は決勝に残った。「今週が海外の4試合の中で一番手応えがあった」と喜んだ。
約2か月の海外遠征も、残りは10月1~4日のショップライト・クラシック(ニュージャージー州)、メジャーの全米女子プロ選手権(同8~11日、ペンシルベニア州)の2試合。「しっかり調整して、もっともっと右肩上がりにいけるように」と気合を入れた。山火事による大気汚染の影響で54ホールに短縮された異例の一戦で、渋野のゴルフの視界がひらけた。
◆パット入ってくれた…渋野に聞く
―6番のパーセーブが大きかった?
「なかなかグリーンに乗せることができず、難しいアプローチやパットが残ったが、シビアなパットが入ってくれた。ボギーが来ると崩れることが多かったので、今日はそれがなかった」
―米国の天候、芝にも慣れてきた?
「2日目が一番良かったが、少しずつ安定してきた。(今週は)芝の感じが向いていると思っていた。グリーン周り(ショートゲーム)も去年以上のプレーができてレベルアップを感じた」
―2週後の次戦へ。
「オフの1週間は、ほぼ練習する。次に向けてもいい流れでいける。しっかり4日間プレーできるように」