ささきしょうこ、念願の“珍ペット”帯同で癒やし効果 7年ぶりVへ首位発進


フクロモモンガの写真(左上も)を見せるささき

フクロモモンガの写真(左上も)を見せるささき

◆女子プロゴルフツアー NEC軽井沢72 第1日(15日、長野・軽井沢72G北C=6625ヤード、パー72)

 ツアー3勝のささきしょうこ(29)=日本触媒=が7バーディー、1ボギーの6アンダー66をマークし、今季初の首位に立った。苦戦が続くシーズンだが、オフに飼い始めたフクロモモンガを今大会に連れてきた。癒やしを得て、2018年の樋口久子三菱電機レディス以来となる7年ぶり優勝へ好スタートを切った。内田ことこ(22)=加賀電子=、ペ・ソンウ(31)=韓国=の3人がトップに並んだ。

 今季ベストに並ぶ66をマークし、ささきがリーダーボードを駆け上がった。「ショットが近くについた。1~2メートルのバーディーパットが多かったことがスコアを伸ばせた要因。調子自体は悪くない」。7番で115ヤードの第2打を9アイアンでピン奥1メートル半につけると、8番パー3は7アイアンで30センチにからめた。9番パー5は96ヤードの第3打をウェッジで右横1メートル半へ運び、3連続バーディーで波に乗った。

 今季開幕前に飼い始めたフクロモモンガの「むむ」「なな」「もも」の3匹とともに軽井沢入りした。なかなかツアーに連れて行くことはできないが、今週は知人の家を借りているため帯同がかなった。「癒やされる。遠征中も飼いやすいし、夜行性なので、私たちが仕事のときに寝ていて、帰ったら遊んでくれる」と笑顔。「手が傷だらけ」と口にする顔は愛情にあふれていた。

 北海道meijiカップから11日に兵庫・加古川市の自宅に戻ったささきは、フクロモモンガのために、今大会への移動で車中泊を選択した。同日午後7時半に自宅を出て、滋賀の多賀サービスエリアで休憩。トヨタ「アルファード」の車内をフルフラットにして爆睡した。「全然快適だった」。翌朝午前9時半に再びハンドルを握り、午後2時半に軽井沢に到着した。

 前週は2位で最終日を迎えながら、76をたたき23位に終わった。「気持ちが入りすぎていた。ものすごく悔しかったけど、いいショットは打てていた。切り替えればいいゴルフになるはず」。今季20試合で予選落ちが13回で、50位までが来季シード権を得る年間ポイントレースは56位に低迷している。「シードも意識するけど、優勝も諦めてはいない」。愛するフクロモモンガがもたらす癒やしが、7年ぶりの復活優勝を後押しする。(高木 恵)

 ◆ささき しょうこ(佐々木 笙子)1996年6月8日、兵庫・加古川市生まれ。29歳。9歳でゴルフを始め、2011年に日本ジュニア12~14歳の部優勝。クラーク記念国際高卒。15年にプロテスト合格。本名の「笙子」が周囲に読めないと言われ、プロ登録時に全て平仮名表記にした。16年の大東建託・いい部屋ネットレディスでツアー初優勝。18年はスタンレーレディス、樋口久子三菱電機レディスで2勝。趣味は寝ることと読書。170センチ、65キロ。

 ◆フクロモモンガ 有袋目フクロモモンガ科でコアラやカンガルーの仲間。げっ歯目リス科のモモンガとは別分類。東南アジアなどに多く生息。体長は13~15センチ、体重は100~140グラム。グレーに黒のしま模様が主流。人懐っこい性格で、ポケットや袋に入ると安心して喜ぶ。夜行性のため、温度は25度前後を好む。下の歯2本が切歯として大きく前に突き出し、雑食で昆虫や果物などを食べる。両脇にある飛膜を使って滑空でき、10~50メートルを飛ぶことが可能。ペットショップでは1万5000円~3万円程度で販売される。

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