女子プロゴルフツアーのパナソニックオープンレディースは30日から3日間、千葉・浜野GC(6638ヤード、パー72)で行われる。前週のフジサンケイレディスでツアー通算6勝目を飾った稲見萌寧(もね、21)=都築電気=が29日、会場入りして小雨の中、最終調整を行った。「上位争いをしていると意外と気を張っていたり、終わった後にドッと疲れが来たりする。今週は自宅から(車で30~40分で)通える範囲でリラックスして臨めるので、心は疲れているけど、気持ち的には楽にできるかなと思う」と見据えた。
前回(2019年)大会は5位と好相性だ。28日に9ホールの練習ラウンドでコースをチェックして「グリーンは少し(球の転がりが)速いと感じたのでパターは練習します。上位争いは伸ばし合いのイメージがある。スタートダッシュで遅れると焦るので、初日にスコアを伸ばすことは大事かな」と印象を語った。
今年に入って8戦中4勝「勝率5割」と強さを示している。稲見の記事には「稲見さん強すぎて漫画みたい」というファンのコメントもあったが、「メッセージとかたくさんくれる方が多くてありがたいなと思います。でも最近は『また勝ったの? 』みたいなメッセージをくれる方も増えて(笑い)そういうのも笑えてちょっとうれしいなと思います」と“いじり”にも感謝しているという。この驚異の勝率について自身は「自分でも8戦4勝できたことはすごいなと思うけど、自分が4勝できている感覚があんまりなくて。勝てたという驚きの方が大きい」と心境を語った。
今年の強さについては「パター自体が去年と比べて良くなっているので、アプローチとかの時も心の余裕につながっている」と自己分析。ただ、自身で「完全主義者」と明かすだけに「全て足りない部分はあると思う。スイングの安定性やアプローチのミスもあるし、全てを良くしたい」とさらなる高みを誓った。
世界ランクは31位に上昇し、11位の畑岡奈紗、21位の渋野日向子(ともに22)、22位の古江彩佳(20)に続く日本勢4番手に浮上した。今夏の東京五輪出場圏内の2番手の背中も見えてきたが「もちろん出たい思いはあるけど、そのためには目の前の1試合、1試合を頑張らないといけない。結果的に順位が上がって出場できることになれば、それはものすごくいいことだと思う」と自然体を強調した。