◆女子プロゴルフツアー パナソニック・オープン 第1日(30日、千葉・浜野GC=6638ヤード、パー72)
アマチュアの岩井千怜(ちさと、18)=武蔵丘短大1年=が6バーディー、2ボギーの68で回り、5アンダーで2打差5位と好発進した。史上8人目のアマVなら6月に最終予選が行われるプロテストが免除され、プロ転向が可能。72で回り53位だった双子の姉・明愛(あきえ)と共に注目されるトップアマが快挙を狙う。植竹希望(22)=サーフビバレッジ=がツアー自己ベストの66をマークし、6アンダーで初の単独首位発進した。
「注目の双子アマ」の妹・岩井千が堂々の滑り出しを果たした。トップスタートの1番で2メートルを沈めてバーディー先行。前半で4つ伸ばし単独首位で折り返した。後半もパー5の12番でバーディー後、13番では5メートル半のパットを決めるなど2打差5位。「昨日姉と『2人で決勝ラウンドに進めたら』と話していた。緊張を考え過ぎずに出て、結果バーディーにつながった」。ツアー自己最高発進に胸を張った。
姉妹は埼玉栄高入学時から「2人でプロ」を目標にしてきた。第一歩として千怜は、4月2日まで群馬・富岡Cで行われたプロテスト1次をトップ通過。一方の姉・明愛は昨年10月の日本女子オープンのベストアマで得た権利で最終テストから参加する。今大会も「一緒の部屋」に宿泊するなど仲良し姉妹で、千怜は1人で1次の会場に向かう際、「ちょっと心細かった」と不安があったが「姉が3次(最終)で待ってると考えたらやる気が出た」と無事に通過。姉妹の絆が心の支えとなっている。
今年4月から武蔵丘短大健康スポーツ専攻に進学した。4年制でなく短大を選んだのも「早くプロになりたいから」と口をそろえる。コロナ禍で週に一度のオンライン授業以外は、2人で埼玉県内のキャンパスに通う。「プロテスト」に一点集中する千怜だが「授業でバレーボールやサッカーを友達とやるのが楽しい」と、新生活が気分転換にもなっている。
アマチュア優勝すれば、03年の宮里藍、19年の古江彩佳らに続くツアー史上8人目の快挙で、双子に限れば初。千怜にとっては18日からの2次、6月の最終テスト(ともに茨城)が免除され、20人前後しか合格できないテストを受けず、プロになれる。「あまり考えないようにして、楽しく回れれば」と自然体で挑む。(宮下 京香)
◆双子の主な女子プロ 元プロ野球ソフトバンクコーチの久保康生氏の娘・啓子(2008年入会)&宣子(のりこ、10年入会)、池内絵梨藻&真梨藻(ともに10年入会)、本山恵子&裕子(ともに1991年入会)がいる。
◆プロゴルファーへの道 19年からの制度変更で、日本女子プロ協会の正会員でないと、レギュラー及び下部ツアーの出場権を争う予選会(QT)を受けられない。入会には〈1〉プロテストに合格する〈2〉アマチュアで出場したツアーで優勝するなどの方法がある。岩井千は1次予選(3~4月)をトップ通過し、5月18日からの2次、6月22日からの最終テスト(茨城)に臨む。