![13番ティーグラウンドに向かう途中に笑顔を見せる稲見萌寧](https://golf.hochi.co.jp/wp-content/uploads/2021/05/20210522-OHT1I51254-L.jpg)
13番ティーグラウンドに向かう途中に笑顔を見せる稲見萌寧
◆女子プロゴルフツアー 中京テレビ・ブリヂストンレディス第1日(22日、愛知県中京GC石野=6486ヤード、パー72)
第1ラウンドが行われ、今季5勝の稲見萌寧(21)=都築電気=がツアー新記録となる13バーディー(2ボギー)を奪取し、パー72のコースではツアー最少ストロークに並ぶ61をマーク。11アンダーで2位に5打差をつけて首位に立った。得意のショットとパットがかみ合い、9番から7連続バーディーなど、異次元のプレーを見せた。今大会は雨の影響で21日が中止となり、36ホールの短縮競技で、規定により賞金加算は75%に減額となった。
面白いように次々とパットがカップに吸い込まれた。稲見は開始3連続バーディーなど7番までに3つ伸ばし勢いを加速した。9番からは圧巻の7連続バーディー。ショットでつけた3~4メートルだけでなく、6~8メートルのパットも楽々と射程内とした。12番で「イメージ通り」の7メートルを決めたが、表情は崩さない。14番で11個のツアー最多に並び、15番で12個目の新記録、17番でもう一つ伸ばした。
バーディーを示す「〇」が13個も並んだスコアボードに、「なんか気持ち悪い」と苦笑しながら、「3番で下りが入り、少しずつ合わせていけた。(新記録は)ホールアウトしてから知った。安心するより、もっともっとと欲を出して全ホールバーディー取るつもりで回った」と、冷静にうなずいた。グリーンを外したのは6番パー5の1度だけ。生命線のショットに、「決めたラインに打つのを意識した」というパットが、この日最少の24とかみ合った。前夜までの雨の影響で止まりやすいグリーンを読み切った結果でもある。
61はツアーの最少ストロークに並んだが、「自分でまた塗り替えたい」と、満足はしていない。21年は11戦4勝で、世界ランクは日本勢4番手の31位。畑岡(12位)に続く2枠目を争う東京五輪代表選出に向けても、2番手の古江(25位)、3番手の渋野(26位)に迫り、代表が決定する6月28日まで目が離せない。「出場したい願望はあるけどゴールではない」と稲見。完璧を求めるゴルファーは、「今日が全てじゃない」と、5打差の“セーフティーリード”にも気を引き締めた。(岩原 正幸)