大西魁斗は棄権 新型コロナの規定に抵触 大会主催者「認識不足」JGTO「反省」


大西魁斗

大西魁斗

◆男子プロゴルフツアー ▽ゴルフパートナー・プロアマ 最終日(23日、茨城・取手国際GC東C=6804ヤード、パー70)

 男子ツアーを統括する日本ゴルフツアー機構(JGTO)と大会主催者は競技終了後の会場で会見を開き、第3ラウンド(R)を終えて4位につけていた大西魁斗(フリー)について、本人の申し出があり、最終Rのスタート前に棄権したことを発表した。発表によると、JGTOの新型コロナウイルス感染症対策トーナメント規定(JGTOの特別規定)に抵触していたという。

 会見に出席したJGTOの競技運営部ツアーディレクター・小山俊一氏によると、22日の第3R終了後に海外選手からJGTOの特別規定に関して電話での問い合わせがあり、これを受けて小山氏がこの日朝、大西が来場時に確認を取ったところ、5日に米国から日本に入国していたことが判明。JGTOの特別規定第2条によると、「トーナメントの指定練習日初日(今大会では17日)から起算して14日以内にある場合、原則として当該のトーナメントには出場できない」とされており、規定に抵触。つまり大西は2日までに来日していなければ、今大会への出場はかなわなかった。大会実行委員長の川崎康史氏は「我々の特別規定に関しての認識不足がありました。認識が甘かった。大西選手にも多大な迷惑をおかけしたことを謝罪させていただきました」と話した。

 主催者による「認識不足」があった。大西は9歳の時に渡米し、米南カリフォルニア大に在学中の昨年3月、新型コロナの影響で大学の授業がオンラインに移行し、その後は家族のいる日本と米国を行き来していた。昨年5月の大学卒業後も同様。今大会に主催者推薦での出場が決まり、7日にプロ転向を表明。今大会出場に向けては「2週間前」について、川崎氏にあらかじめ相談した上で5日の午前5時に日本に入国。17日からは会場で練習ラウンドを行っていた。川崎氏は会見で「大会当日から(入国14日以内にある場合、当該の大会に出場できない)という認識でした。ところがJGTOさんの規定では指定練習日初日からでした」と釈明した。

 また、今大会の出場選手、関係者には来場時に事前7日間の検温や行動記録、14日間の渡航履歴などが示された問診票の提出をさせている。選手はWebで記入しており、小山氏は「本来、渡航履歴という項目にチェックを入れるけど、クリックをしていなかったのでJGTOも把握できなかった。ただ、他の日本人選手も(チェックが)入っていないので取り立てることはしなかった。外国人に対してはそこを見て、日本人に対しては見ていなかった。そこは(JGTOの)反省点ではあります」と話した。

 大西はJGTOと大会主催者を通じて「私は米国在住で日本へ入国してからの隔離期間のルールについて認識不足がありました。大会に関係する皆様、ゴルフファンの皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ございません。今後も精いっぱい頑張りますので、応援よろしくお願い致します」とコメントした。

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