笹生優花、19歳最年少Vへ単独首位「本当に楽しかった」


◆米女子プロゴルフツアー メジャー第2戦 全米女子オープン第2日(4日、米カリフォルニア州オリンピックC=6362ヤード、パー71)

 2打差6位で出た笹生優花(19)=ICTSI=が6バーディー、2ボギーの67。通算6アンダーに伸ばし、日本勢では昨年大会第3日の渋野日向子(22)=サントリー=以来となる単独首位に浮上した。二重国籍を保有し、東京五輪にフィリピン代表で出場を確実にする「21世紀生まれ世代」の逸材が、大会最年少Vで初のメジャー制覇を狙う。渋野は76の7オーバー67位で予選落ちし、五輪出場へ厳しい立場に立たされた。

 笹生の快進撃が止まらない。9番からスタートし、2つ伸ばして迎えた18番パー4で見せた。フェアウェーからアイアンでの第2打は、ピンに向かい50センチにピタリとついてバーディー。今大会で初めて単独首位に立った。最後の8番では5メートルのバーディーパットを決め、観客の歓声に左手を上げた。10代の選手が36ホールを終えて単独首位だったのは、07年の18歳のアンジェラ・パク(ブラジル)に続く大会2人目。「狙っていたわけではないけどピンに寄ってくれた。本当に楽しかった」と満足げだった。

 日本人の父、フィリピン人の母の間に生まれ、二重国籍を保有。五輪へは世界ランク40位でフィリピン勢1番手につけ、同国代表として出場の意向を示している。男子で英国代表として五輪出場が濃厚なロリー・マキロイに憧れ、現地ではスイングが似ていると話題だ。マキロイの動画を寝る前に見ると明かし、「会ったことはないが五輪で会えたら」と目を輝かせた。

 昨年8月に日本ツアーで2001年生まれ世代初Vから2連勝した新鋭は「米ツアーでプレーするのが目標」と掲げる。今年は主戦場の日本で6戦、4月のANAインスピレーション(50位)など米ツアー2戦に出場。コロナ禍の移動は日本に帰国するたびに自主隔離の期間もあって調整は難しくなるが、米ツアー挑戦を重視している。

 首位で決勝ラウンドに進んだ4月のロッテ選手権(6位)以来の優勝争い。自身4度目のメジャーとなる今大会を制すれば、08年に19歳353日で優勝した朴仁妃(韓国)の記録を2日更新する大会最年少Vの快挙。「この調子で楽しんで頑張りたい」と勢いのまま突き進む。

最新のカテゴリー記事