◆女子プロゴルフツアー 海外メジャー第3戦 全米女子プロ選手権 最終日(27日、米ジョージア州アトランタ・アスレチッククラブ=6740ヤード、パー72)
世界ランキングで日本勢4番手だった渋野日向子(22)=サントリー=は通算1オーバーの40位だった。東京五輪出場には5位以上が最低条件だったが、圏内となる2番手の稲見萌寧(都築電気)を上回れず、2枠の代表入りを逃した。それでも3か月間の海外遠征の最後で6バーディー、1ボギーの67と意地を見せた。笹生優花(20)=ICTSI=は67で3アンダーの21位。ネリー・コルダ(米国)が19アンダーでメジャー初優勝。五輪代表1番手の畑岡奈紗(アビームコンサルティング)は今大会予選落ちした。
渋野はラウンド後、五輪について率直な胸の内を明かした。「1年延期した時点で、優先順位が上だったものが米国の方に向いた」。もともとはソフトボール女子で、憧れの上野由岐子とのW金メダル獲得にも意欲を見せていたが、コロナ禍で開催が不透明な状況が続いた五輪よりも、米ツアーへの思いが強くなった。
3か月の海外遠征は7戦で31位が最高だったが、悲観はしていない。「悔しいことが多かったけど、この1週間を考えると、今までの悔しさが全部消えていくような感じ。たまっていたものが、はき出せたような内容」と晴れやか。今大会決勝ラウンドでは、米ツアーでの活躍を念頭に置いた新しいスイングが体になじみ、ショットは好調、パットのタッチも絶妙だった。
昨年12月の全米女子オープンで最終日までリードしながら4位に敗れた悔しさから、変化することを選んだ。フェアウェーキープへのこだわり、ウェッジを4本にして距離感をつかむこと、マネジメント力の向上、課題のアプローチ―。一つ一つ、自らと向き合い長期的スパンで捉えているのが分かる。19年の“イケイケゴルフ”から“大人のゴルフ”になりつつあると感じる。(ゴルフ担当・岩原 正幸)