◆男子プロゴルフツアー Sansan・KBCオーガスタ 第1日(26日、福岡・芥屋GC=7210ヤード、パー72)
雷雲接近のため、開始が2時間10分遅れて日没順延となった。5月のツアーで新型コロナ陽性となり、復帰2戦目の岩本高志(46)=K’S GOLF LOUNGE=が短尺&長尺の“超異例のパター二刀流”で2イーグル、3バーディー、2ボギーの67をマーク。首位と3打差の5アンダーの暫定7位と好発進した。苦難を乗り越え、プロ24年目でツアー初優勝を目指す。18、19年賞金王の今平周吾(28)=フリー=ら8アンダー、64で回った3人が暫定首位に並んだ。
ベテランの岩本が、今季自己最少スコアで再スタートを切った。67で回ると「コロナ禍の状況でも試合をやっていただけてうれしいです。僕のせいで試合がなくなっちゃうのは本当に嫌だったので。戻ってこられて幸せだなと思いますね」とさまざまな思いを複雑な表情でかみしめた。
5月の中日クラウンズで新型コロナ陽性判定により、第2R前に棄権。宿舎で数日療養後、病院に1週間入院して治療を受けた。6月のツアーで一度は復帰も「筋力は落ちて、飛距離も約20ヤード落ちてプレーするスピードにもついていけない」と予選落ち。再調整してきた。
超異例のパター二刀流だった。この日は5ウッドを抜き、短尺パターと今週初めて作った長尺パターを投入した。「コロナ明けからパターの感覚がおかしくなって。長尺はお守りのつもりで」とバッグに入れた。ところが「気持ちが悪くなって。2ホール目から長尺を使った」。13番は1・5メートルを沈めて起死回生のイーグル。18番も2メートルを決めて2つ目のイーグルを奪い、大胆な決断が奏功して計28パットでV圏内で滑り出した。「明日からは5ウッドを戻して長尺一本でいきます」と岩本は笑った。ラウンド後、長尺パターを使う北川祐生(30)らに指導をあおぎ、再起に向けて懸命に打ち込んだ。(榎本 友一)
◆岩本 高志(いわもと・たかし)1975年1月8日、東京都生まれ。46歳。13歳からゴルフを始め、専大を経て98年にプロテストに合格。16年8月のダンロップ・スリクソン福島オープンで自己最高の2位に入り、41歳で初の賞金シードを獲得。SMBCモビットのテレビCMにも出演した。元プロ野球・広島の黒田博樹投手は専大の同級生。165センチ、70キロ。家族は妻と長男。