19歳・久常涼、4打差8位に浮上 石川遼、松山英樹らに続く史上4人目の10代Vへ「楽しみ」


18番でバーディーパットを決め、キャディーとグータッチをする久常(カメラ・宮下 京香)

18番でバーディーパットを決め、キャディーとグータッチをする久常(カメラ・宮下 京香)

◆男子プロゴルフツアー バンテリン東海クラシック 第3日(2日、愛知・三好CC西C=7300ヤード、パー71)

 第3ラウンド(R)が行われ、8打差の24位から出た19歳の久常(ひさつね)涼(SBSホールディングス)が、5バーディー、ボギーなし、この日のベストスコアに並ぶ66をマーク。通算8アンダーで4打差の8位に浮上した。1973年ツアー制施行後、石川遼、黄重坤、松山英樹に続く史上4人目の10代Vの快挙へ好位置につけた。

 ドライバーの平均飛距離300ヤードの持ち味をいかんなく発揮した。4番パー4(435ヤード)。第1打をピンまで残り80ヤードのフェアウェーまど飛ばすと、2メートルのパットを沈めてバーディー。2番と15番のパー5では2オンし、難なくバーディーを重ねた。18番では6メートルのフックラインのパットをねじ込みバーディー締め。「ずっといい調子でこられている。いい流れで回れたし、最後もいい形で上がれた」と胸を張った。第3Rの競技終了後に行われたドライビング・コンテストにも志願して出場し、319ヤードで堂々の4位に入った。

 昨秋の特別QT(予選会)失敗からはい上がった。特別QTはファーストステージでつまづき、ランキング1212位で今季ツアー出場権を逃した。それでも「マンデー(予選会)も開催していただいているので、頑張れば試合に出られる」と前向きに捉え、昨年12月にプロ転向。今年5月の下部のAbemaTVツアー、太平洋クラブチャレンジトーナメントで予選会から出場すると3位に入り、15位以内の資格で次戦も出場。結果を残して次々に出場試合数を増やしていった。

 下部で3戦目のジャパンクリエイトチャレンジで初優勝し、南秋田CCみちのくチャレンジトーナメントで2勝目。9月24日まで行われたISPSハンダ・チャレンジトーナメントで同ツアー史上2人目の年間3勝を達成すると「年間3勝で翌週のレギュラートーナメントより今年のツアーにおけるシード権が付与される」の資格を07年の規定制定後初めて行使し、今大会の出場を果たした。開幕前には「正直、ここに今年立てるとは思っていなかったので驚きがある」と語っていた。

 岡山・作陽高2年時の19年から昨年までナショナルチームでプレーした。今季ツアー賞金ランク3位で、4歳上の金谷拓実(Yogibo)や前週のパナソニックオープンで史上5人目のアマチュア優勝を飾った2歳上の中島啓太(日体大3年)の背中を見て、腕を磨いてきた。「世界の舞台を知っているお二人だし、世界を見据えたトレーニングやゴルフに対する姿勢がすごい。それを僕も見ていたので、刺激を受けています」と話す。

 07年マンシングウェアKSBカップを15歳で制した石川遼に次ぐ19歳24日での年少2番目の初Vの快挙に期待が懸かる。プロ転向後、5月の関西オープン(予選落ち)でレギュラーツアーに初出場。ここまで5戦中3戦で予選落ちし、プロではゴルフパートナー・プロアマ16位が自己最高。上位で最終日を迎えるのは初めてで「この位置で自分のプレーがどれだけできるか、すごい楽しみ」と声を弾ませた。

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