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初日4アンダーの好スコアでホールアウトした宮里優作。長尺パターが威力を発揮した(カメラ・今西 淳)
◆男子プロゴルフツアー 最終戦メジャー 日本シリーズJTカップ 第1日(2日、東京・東京よみうりCC=7023ヤード、パー70、報知新聞社主催)
3年ぶり9度目の出場となった2013年、17年大会覇者の“日本シリーズ男”宮里優作(41)=フリー=が、1イーグル、4バーディー、2ボギーの66で回り、首位と1打差の2位発進を決めた。13年、17年と4年周期での制覇へ好位置につけた。石川遼、松山英樹に続く大会史上3人目のアマチュア出場を果たした世界アマランク1位の中島啓太(21)=日体大3年=は69で回り、大会初のアマVへ4打差9位の好スタート。アマは獲得賞金がないため賞金王争いの“台風の目”となる可能性が出てきた。
宮里がいきなりはじけた。1番でいきなりバーディーを奪うと、6番でイーグルだ。残り222ヤードから放った第2打をピン横3メートルにつけきっちり沈めた。1打差2位で初日をフィニッシュ。「イーグルがあったのでリズム良く回れた」と気持ちよさそうにうなずいた。
前々週のダンロップフェニックスから手にする“魔法のつえ”長尺パターが、この日も味方した。2アンダーで迎えたパー4の9番。残り183ヤードからの第2打は、ピン奥10メートルに落ちた。「入ってなかったら3パット」という難しいラインは、見事カップに吸い込まれてバーディー。「ストレスなく回れている」と“相棒”に感謝した。
応援も大きな力になった。コロナ禍も重なって会えていなかった両親が「たぶん3年ぶり」という来場。コーチでもある父・優さん(75)と母・豊子さん(69)を「アップダウンがきついコースなので大丈夫かな」と心配しつつ、「楽しそうでした」と目を細めた。
ツアー初優勝を挙げた13年大会。涙の優勝で逆転賞金王をつかんだ17年大会を見届けた両親も「安心して見ていられました」。さらに、この冬に、第1子出産を控える妹の藍さん(36)からも6番のイーグルをたたえるメッセージが届いた。
41歳になったベテランは、虎視たんたんと優勝を狙う。賞金王争いを繰り広げる賞金ランク1位のC・キム、2位木下稜介、3位金谷拓実が出遅れ、「毎週毎週優勝争いをすると、本当に体がボロボロになる。ちょっとチャンスあるかもしれないですね」とニヤリ。「あの人たち、めちゃくちゃうまいので…。鬼の居ぬ間に、この2日間で何とか差を広げないと」。13、17年に次ぐ4年周期での日本シリーズ制覇へ、“鬼退治”を完遂させる。(菅原 美沙)
◆宮里の日本シリーズJTカップ優勝VTR
▽13年大会 初日は4アンダーの首位発進。第2日は18番のダブルボギーが響いて1打差2位に後退。第3日に64で回って単独首位に立つと、最終日は18番でチップインパーを決め、ツアー参戦11年、253試合目で初優勝を挙げた。
▽17年大会 初日は3打差8位スタート。第2日はスコアを伸ばせず3打差8位。第3日に65で首位に浮上。最終日は1イーグル、6バーディーで2位に6打差をつけて優勝し、逆転賞金王に輝いた。