◆女子プロゴルフツアー アクサレディス 最終日(27日、宮崎・UMKCC=6546ヤード、パー72)
2打差3位から出た西郷真央(20)=島津製作所=が5バーディー、1ボギーの68で回り、通算9アンダーで逆転優勝を飾った。開幕戦のダイキンオーキッドレディスに続く、ツアー通算2勝目で今季早くも4戦2勝。2001年度生まれの「21世紀世代」では笹生優花に続く2人目の複数回優勝を達成した。同学年で通算1勝の山下美夢有(みゆう、20)=加賀電子=が69で1打差2位。
約50センチのウィニングパットを沈めた西郷は、同組の山下らと笑顔で健闘をたたえ合った。1つ後ろの最終組が上がり、初優勝から3週後に2勝目を手にした。「まさか優勝できるとは。団子状態で最後の数ホールは緊張した。ボギーを打たずに終われて良かった」と勝利の味をかみ締めた。
26日が中止となり、36ホールの短期決戦を制した。2差で出ると10番までに3つ伸ばし、13番で4メートルのバーディーを決め、そのまま首位を譲らなかった。昨季は2位7度も、今季は3月だけで2勝。開幕戦後に師匠の尾崎将司(75)から「2勝目も頼んだぞ」と電話で激励され、早速応えた。「2勝目が難しいと言われている中、早めに勝ててホッとした」とうなずいた。
2019年11月、高3で笹生、山下と共に3人同時にプロテストに一発合格した。この日は序盤リードした山下に競り勝ち、「美夢有ちゃんが先にバーディーを入れたり、相乗効果でいい雰囲気でできた。リラックスしてプレーできた」と、伸ばし合いの要因を指摘。01年度生まれ「21世紀世代」で笹生に次ぐ2人目の複数回優勝となった。
21日付の世界ランクは33位。4月初旬の同ランク上位の資格で初メジャーとなる全米女子オープン(6月2日開幕、ノースカロライナ州パインニードルズGC)出場権が確実だ。前年は同学年で先頭を走る笹生が、畑岡奈紗とのプレーオフを制した大会で「行きたい。新人の気持ちで雰囲気を学びたいのもあるけど、出るからには全力で頑張りたい」と意気込んだ。
初優勝した沖縄の開幕戦から高知、鹿児島、宮崎と長期遠征を終え、約1か月ぶりに拠点の千葉に戻る。「また明日から気を引き締めて頑張りたい」。どんどん勝ち続ける20歳の目は世界に向いている。(岩原 正幸)