
優勝カップとサロンパスカップを手に笑顔を見せる西村優菜
◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第2日(8日、茨城GC西C=6718ヤード、パー72、報知新聞社後援)
大会最終日が「母の日」と重なることが多いシーズン最初のメジャー。2008年にメジャー昇格後、数々のドラマが生まれてきた。その名場面を振り返る。第2回は、茨城GC東Cで行われた2021年大会を制した西村優菜。新型コロナウイルス感染症対策のため、初の無観客開催だった。コース内は観客席やギャラリープラザもなし。前夜祭やプロアマ戦も行わない異例の大会で、母への感謝の思いを胸に20歳がメジャータイトルを手にした。
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2021年5月9日。西村優菜(スターツ)が、大会コースレコードを1打更新する通算14アンダーでメジャー初優勝。ツアー通算2勝を飾った。3打差2位で出て6バーディー、1ボギーの67で回り、20―21年賞金女王の稲見萌寧ら2位に3打差をつけた。
2000年度生まれ「ミレニアム世代」で最初の国内メジャー覇者となった。最終18番。30センチのウィニングパットを沈めると、身長150センチの西村は、両手を高く突き上げて喜びを爆発させた。大会コースレコードの14アンダーで2位に3打差をつけてのメジャー初制覇。「後半に優勝を意識してギアを上げて、強い気持ちでプレーした」と興奮気味に振り返った。
優勝インタビューでは母・枝里子さんへの気持ちがあふれ出た。「やりたいことを犠牲にして、私のゴルフについてきて支えてくれている。この日に勝てて良かった。『いつもありがとう』と伝えたい」。母の日に恩返しVを贈り、涙した。大阪府内の自宅には中学1年の弟がいるが、西村と母はほとんど遠征生活で「弟もお母さんと一緒にいたいだろうけど」と気遣った。ツアー先のホテル予約から会場への送迎まで献身的にサポートする母に、無観客でプレーを見せられない中、最高のプレゼントを届けた。
笑顔が印象的な20歳だが、勝負どころでは気合の入った表情を見せた。1打追う12番、1・5メートルのバーディーで首位に並び、続く13番で3メートルをねじ込んでガッツポーズ。今大会で初めて単独トップに立った。ツアー最速14フィートの高速グリーンを攻略。全選手で唯一4日間60台をマークし、技術の高さを生かした。国内メジャーで3度目の最終日最終組を制し、前回のツアー優勝(6打差3位から)と同じ逆転でミレニアム世代でメジャー初優勝。同学年でツアー4勝(当時)の古江彩佳に祝福され「いつも仲間に刺激をもらっている」と感謝した。
ラウンド中は「(韓国の)田仁智(チョン・インジ)さんが(15年に)優勝したから、私も優勝したいと思いながら」回った。「テンポが良く、堂々とした姿が好き」とアマチュア時代から憧れ、20年末の全米女子オープンでは一緒に練習ラウンドして英語で話しかけた。15年の田、16年のレキシー・トンプソン(米国)、19年の渋野日向子と茨城GC東Cの歴代覇者は後に海外メジャー女王へと飛躍した。今大会の優勝で3年シードを手にし「私も海外メジャー優勝が目標。早く(田に)近づきたい」と決意を新たにした。
◆西村 優菜(にしむら・ゆな)2000年8月4日、大阪・堺市生まれ。25歳。5歳からゴルフを始め、大商大高1年時にツアーデビュー戦の16年日本女子オープンで6位。19年11月のプロテストに合格。得意クラブは9アイアン。ツアー通算6勝。憧れの選手は海外メジャー3勝の田仁智(韓国)。150センチ、47キロ。

